急性腰痛の予後は今まで考えられたより悪い

昔から医学書の書かれている病気の頻度や予後は、筆者の独断で記述されているものもあり、それが暴走する場合がある。結果的に、治療方針や患者への説明時に、実態とかけ離れた説明がなされることになる。

急性腰痛でそんな報告が記載された。

プライマリケアでの急性腰背部痛の患者のコホートにて、その予後はガイドライン(e.g. Eur Spine J 2006;15:S169-91.)で記述されているほど良好ではない。回復には時間がかかり、約1/3は1年以内に回復することがない



Prognosis in patients with recent onset low back pain in Australian primary care: inception cohort study
BMJ 2008;337:a171, doi: 10.1136/bmj.a171 (Published 7 July 2008)


Kaplan-Meier estimate of time to complete recovery


多くのガイドラインでは、アドバイスのタイプにより腰背部痛のエピソードの経過に影響があると述べている。これは、良好な予後であることを患者が再確認する根拠ともなっている。通常90%の患者は6ヶ月以内に回復するというステートメントがある。患者が急激に改善した場合、慢性腰背部痛発症のリスクは不明であるが、一応、2%-56%というばらつきの報告がある。

いわゆる”黄信号”の患者を見極めることをガイドラインは記載しているが、その推定には不正確性が伴う。
予後に関するコンセンサスが欠けているのは、以前の研究の方法論的な欠点に寄与しているものであろう。その原因のほとんどは患者・医療機関の対象参入の失敗であろうし、フォローアップ期間が不適切だったからだろう。

by internalmedicine | 2008-07-18 09:01 | 運動系  

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