長期PPI使用による低マグネシウム血症:限定的マグネシウム吸収阻害の可能性
2008年 07月 23日
N Engl J Med. Vol.355:(17)1834-1836 Oct 26,2006において、プロトン・ポンプ阻害剤(PPI)長期使用で、低マグネシウム血症の報告がなされている。
だが、機序は不明であったが、PPIの影響として、マグネシウムに限定した腸管吸収への悪影響があるようだ。
Severe hypomagnesaemia in long-term users of proton-pump inhibitors
Clinical Endocrinology, Volume 69, Number 2, August 2008 , pp. 338-341(4)
PPI投与下の重症の低マグネシウム血症のメカニズムを検討
2例の長期PPI(omeprazole)使用成人の重症低マグネシウム血症+低カルシウム血症性けいれん
漸増的なマグネシウム注射投与と24時間の注射量蓄積による評価
経口マグネシウムサプリメントの効果を、PPI継続中そして中止後観察
量感者とも重症のマグネシウム欠乏状態で、腎でのマグネシウム保持性作用が明確で、腸管のマグネシウム吸収不良が原因であることが示唆された。しかし、全般的な吸収不良の所見はない。低マグネシウム血症はマグネシウム・サプリメント高用量投与を補正し、PPI中止後回復する。
PPIは小腸のマグネシウムのactive transportを阻害する。これが特異的な効果なのかは晟かではないが。長期PPI使用者は、治療adherenceが良いため、総マグネシウム量を減少させ、重症の低マグネシウム血症合併症を生じる可能性がある。
by internalmedicine | 2008-07-23 15:10 | 内科全般