肥満と炎症

多因子・多遺伝子疾患や病態のモデル化ってのは・・・慎重であるべきだとおもう

あやふやな疾患概念のメタボリックシンドロームってのに、手を出す前に、肥満をもうちょっと研究した方がよいのでは?
肥満と炎症という問題は、基礎的には常識化されている

"Fat Signaling"・・・キーワードか


Interferon-{gamma}, a Th1 Cytokine, Regulates Fat Inflammation. A Role for Adaptive Immunity in Obesity
Rocha et al. Circ Res.2008; 0: CIRCRESAHA.108.177105v1
脂肪組織(AT)は、マクロファージを集積し、いくつかの炎症性メディエータを分泌する。
動脈硬化のような慢性炎症プロセスの発症へ中心的役割を果たすが、肥満における適応免疫の役割は不明である。食事による肥満C57BL/6マウスの内臓ATは、flow cytometry測定のCD4+、CD8+T細胞を対照より多くもつ。

in vitroで刺激したとき、肥満ATからのT細胞は対照にくらべIFNγをより多く産生する。

肥満動物からのATは、免疫染色によると、I-Ab発現細胞、class II histocompatibility markerが多い。
組み替えIFNγやT-helper 1由来上清刺激3-L1細胞の分化はいくつかのサイトカインやmRNAを産生する。

肥満IFNγ欠乏動物では、有意に、mRNA-エンコード炎症性遺伝子、たとえばTNF-αや単球chemotattractant protein-1を減少させ、AT炎症性細胞の集積減少し、対照動物より良好な糖耐性を生じる。

129SvEV/C47BL/6(129/B6)遺伝子背景における、IFN-γ受容体とapolipproteinEの二重欠損肥満マウスは、TNF-αと単球chemoattractant protein-1は対照(129/B6-ApoE-/- )と同様であったが、ATのTNFαと mRNA値は、IP-10(IFNγ-inducible protein-10)やI抗体といったT細胞関連遺伝子の発現を減少させ、トリグリセリドや血糖を低下させる。

この結果は肥満に伴う炎症細胞の働きにおける、T細胞やIFN-γ、プロトタイプのT-helper 1サイトカインの役割を示唆するモノと思われる。

by internalmedicine | 2008-07-28 12:32 | 動脈硬化/循環器  

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