疼痛性リウマチ性疾患の抗うつ薬の鎮痛効果:SNRIが第一選択?
2008年 07月 29日
疼痛などの不快症状が強いとき、抗うつ薬を使うってのは正しいことなのだろうか?である。
「疼痛閾値を上げて・・・」という説明をよく聞くがはたして臨床的に正しいことなのか?
鎮痛効果があるとしたら、すべてのリウマチ性疾患が同一に効果があるのか?
その効果の程度は?そして、疼痛軽減効果は抗うつ薬の種類により異なるか?
この研究目的は、疼痛性リウマチ状態において抗うつ薬使用をサポートするエビデンスについてのレビューである。
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Is there any evidence to support the use of anti-depressants in painful rheumatological conditions? Systematic review of pharmacological and clinical studies
Perrot et al. Rheumatology.2008; 47: 1117-1123
1966-2007年の出版システミックレビューで、5つのヨーロッパ言語、リウマチ状態における抗うつ薬治療に関するもので、Jadad methodとanalgesic ESをスコア化
78の臨床研究と140のペーパーからなる12のメタ解析
もっとも強いエビデンスは、fibromyalgiaに対する、抗うつ薬の鎮痛効果であり
弱い鎮痛効果は、慢性腰痛で、鎮痛剤と類似したefficacyである。
RAとASにおいて、抗うつ治療の麻酔効果はないが、薬剤は疲労・睡眠障害マネージメントに役立つ。
OAにおいて、鎮痛効果のエビデンスはないが、研究方法の質が貧弱である。
鎮痛薬の鎮痛効果は、抗うつ薬の効果とは独立している。
三環系抗うつ薬(TCAs)は、低容量でも鎮痛効果は、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRIs)と同等であるが、耐用性が良くない。
SSRIは軽度鎮痛効果だが、鎮痛効果のためには高用量が必要
抗うつ薬、特にTCA、SNRIは、鎮痛剤やNSAIDsがあまり有効でない慢性のリウマチ性疼痛に鎮痛効果がある。
炎症性リウマチ疾患では、抗うつ薬は疲労や睡眠障害のマネージメントにも有効
慢性疼痛性リウマチ疾患での他の鎮痛剤と抗うつ薬と比較した、研究が今後必要。
上述の記載をみるかぎり、SNRIが第一選択となりそうだが・・・
by internalmedicine | 2008-07-29 09:17 | 運動系