公共の場での喫煙禁止法で、喫煙者・非喫煙者(間接喫煙被害者)とも急性冠動脈入院減少

喫煙というのは、直接喫煙、間接喫煙ともども、どれほどの健康へのインパクトがあるか?どれほど、被害をもたらしているのか?具体的数字が少ない。


2006年末から、スコットランドでは公共の場での喫煙が法律で禁止された。
アンケートや生化学所見による喫煙状態や受動喫煙による前向きの情報収集し、スコットランドの9つの病院で、法律施行前10ヶ月と翌年同期間の急性冠症候群(ACS)受診全例の検討したもの


Smoke-free Legislation and Hospitalizations for Acute Coronary Syndrome
N Engl J Med. Vol 359(5):482-491 July 31,2008
包括的に、ACS入院数は3235→2684の、17%(95%信頼区間16-18%)減少
同時期に、イギリスでは4%減少で、スコットランドでは年平均3%(最大、9%)減少であった。

入院数減少は、ACS患者の死亡数増加によるのではない。死亡数も6%減少。

喫煙者のACSの入院数14%減少、喫煙経験者の19%減少、喫煙経験なしで21%減少。

喫煙経験無し例の週毎受動喫煙機会減少が報告され、血中コチニン濃度0.68→0.56 ng/mlへの減少が認められている (P<0.001 by the t-test)



日本でも一部地域で公共の場での喫煙禁止条例などが施行されている。やはり、国家的レベルで規制すべきだろうという話が出てきておかしくない。
なぜなら、医療コスト増大に直接関わるわけで、特に、罪のない非喫煙者に対して、受動喫煙という形で被害を与えている事実が明らかになっている。

by internalmedicine | 2008-07-31 08:25 | 動脈硬化/循環器  

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