前壁MI疑い →?

57歳男性、自宅で一人のとき失神したというエピソード後ED受診

患者は前駆症状なく、意識消失がどの程度続いていたのか不明。
覚醒時胸骨中央胸痛と息切れ自覚
冠動脈疾患既往あり
胸部症状は本人の通常の狭心症症状とは異なる
疲労感増加と、労作と無縁な発作的胸痛、息切れを自覚。

冠動脈疾患の病歴があり、脂質異常症、高血圧、うつ、腎機能障害
3年前から3本冠動脈内ステント、心筋梗塞、心筋症、不整脈、CNS疾患既往なし



(http://www.jaoa.org/cgi/content/full/108/7/344/FIG3)


血圧 123/80 mm Hg(supine、rothostatic position)
酸素飽和度 96%、脈拍:111/分、正
栄養状態良好
軽度呼吸苦はあるが、complete full sentencesの状況
気管支はmidlineで、肺領域はclear
頻拍で、grade 1 or 2のearly-peaking systolic murmur(III音無)
parasternal heave無
腹部所見:特記なし
四肢はwarmで、浮腫なしで脈正常





初回のECGの結果は
洞刺激から心室刺激へのI度ブロックを伴う洞性頻拍、IRBBB、前胸部誘導軽度ST増加、T波陰転化
という記述



二度目のECG

(http://www.jaoa.org/cgi/content/full/108/7/344/FIG4)

前壁・下壁誘導のST上昇と異常Q波







































Ventilation-perfusion scans



Typical electrocardiogram changes associated with pulmonary embolism.
http://www.jaoa.org/cgi/content/full/108/7/344/FIG1
・S1Q3 or S1Q3T3
・right QRS-axis deviation
・CRBBB or IRBBB
・T-wave inversions in the right precordial leads
・atrial dysrhythmias
・first-degree atrioventricular block
・”P pulmonale" pattern
・QR pattern in V1
・displacement of the transition zone to the left



フォローアップ心電図:


結論:
胸痛・呼吸苦どちらかおよび両方を伴うECGの特異的異常所見は肺塞栓の診断につながる。非特異的前胸部誘導でのST低下も所見として認められることがある。
T波陰転やその変化は、右室ストレインに一致する。

提示例は、ST上昇を伴うPEケースであり、特に前胸部誘導で目立った稀なケースであった。
胸痛、呼吸苦がある患者では、ST上昇があってもPEを考慮しなければならないという教訓的ケースである。

CASE REPORT:Pulmonary Embolism Mimicking Anteroseptal Acute Myocardial Infarction
JAOA • Vol 108 • No 7 • July 2008 • 344-349

by internalmedicine | 2008-07-31 09:17 | 動脈硬化/循環器  

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