禁煙指導者の力量:肥満と禁煙
2008年 08月 12日
禁煙後体重増加に関しては多くの報告がある。
“smoking cessation body weight”でpubmedやgoogle scholarで検索すれば学術報告が拾えるだろう。
”太るから禁煙しない”という喫煙者側の良いわけに対して、指導側が“肥満vs喫煙”の害の比較を提示するのはあんまり好ましいことではない。
両方悪いのだから、両方に対して指導するのが正しいやり方だろう。
禁煙を試みようとしている人でさえ、たばこに対するノスタルジーやニコチン依存がありたばこを正当化するロジックを展開するのである。そのロジックに指導者側が陥ってはいけないのである。
喫煙の害として、一部に心臓代謝系への悪影響や糖尿病促進がある。一方、ニコチンそのもがエネルギー消費的に働き、食欲を落とす
Consequences of smoking for body weight, body fat distribution, and insulin resistance
American Journal of Clinical Nutrition, Vol. 87, No. 4, 801-809, April 2008
肥満がそのまま心血管リスクに直結するわけではない(“代謝的良性肥満”の存在:Arch Intern Med. 2008;168(15):1617-1624. :解説 http://intmed.exblog.jp/7389786/)。
視野狭窄に陥っている指導者がいるので、ちょっとまとめてみた。
by internalmedicine | 2008-08-12 10:45 | 喫煙禁煙