肺線維症:receptor for advanced glycation end products (RAGE) の防御的役割
2008年 08月 13日
RAGEの高度発現は、肺の生理学的条件でもあり得る。
RAGEが肺防御的な役割を果たしており、この受容体の変化が肺の細胞に機能的変化をもたらし、線維性疾患の結果となる可能性がある。
Loss of RAGE in Pulmonary Fibrosis
American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology. Vol. 39, pp. 337-345, 2008
AGE(advanced glycation endproducts)とは、グルコースなどによる非酵素的タンパク質修飾によって生成する終末糖化産物であり、血液中などに存在しています。そして、その特異的受容体であるRAGE(receptor for AGE, 55 kDa)は、血管細胞などの細胞表面に存在するイムノグロブリン スーパーファミリー分子のひとつです。このAGE とRAGEとの相互作用が糖尿病血管症の病態において重要な役割を果たしていることが明らかになりつつあります。また、アルツハイマー病や循環器疾患にも関連が示唆されています。RAGEには、選択的(alternative)スプライシングの違いによって数種類の構造が知られており、そのうちのひとつである内在性分泌型RAGE(endogenous secretory RAGE, esRAGE)は、N末端側のAGEとの結合部位を保持していますが、C 末端側の膜貫通領域を欠いているために細胞外へ分泌されます。このesRAGEは細胞外でAGEを捕捉することによりAGEと細胞表面にある膜貫通型RAGEとの結合を阻害し、結果的にAGEの細胞への作用を抑制する働きを持つと考えられています。
http://lifescience.b-bridge.com/index.php?main_page=product_information&prokey=esrage
by internalmedicine | 2008-08-13 10:34 | 呼吸器系