食物依存性運動誘発アナフィラキシー:FDEIA
2007年 08月 15日
Food-dependent exercise-induced anaphylaxis.
J Dermatol Sci. 2007 Aug;47(2):109-17. Epub 2007 May 15.
Food-dependent exercise induced anaphylaxis (FDEIA) は、身体運動により誘発される食事アレルギーの特異的な病態である。症状は典型的な全身性のじんましんと重症のアレルギー反応としてショック、低血圧。様々な食事アイテムによりFDEIAは発症反応となるが、小麦が日本でも最も多く報告されている。最近アスピリンが付加的増悪因子として知られるようになっている。皮膚反応やin vitro血中食事特異的IgEアッセイが行われているが、感度・特異度とも満足するべきレベルにない。食事摂取後強度な身体運動を行う試験を含むチャレンジテストは唯一の方法である。しかしこの試験は、アナフィラキシーショックを生じる例もあり必ずしも安全ではない。故にFFEIAの患者にとってはin vitro検査が必要となる。
この文献の筆者たちはω-5 gliadinや高分子量グルテンsubunitがWDEIA(Wheat-dependent EIA)の主なアレルゲンであることを示した。
epitope 配列特異的IgEにより感度・特異度が上がるだろうとのべている。一方、免疫活性のあるgliadinは曝露中の患者の血清に出現する。これらの所見がFDEIAがIgEによる過敏反応と運動・アスピリンによるアレルゲンの消化管からの吸収促進による悪化をもたらすと考えられた。
Exercise-Induced Anaphylaxis
emedicine Updated: Jun 15, 2006
食物依存性EIAは2つの病型を持つ1)特異的な食物によるEIA:特異的食物摂取で生じる
2)非特異的食物によるEIA:どの食物摂取でも生じる
後者は薬物(NSAID、アスピリン、抗生剤、感冒対症療法薬)服用後生じる場合もこの病型に含む
経口抗ヒスタミン治療:diphenhydramine、hydroxyzine(アタラックス)、cetirizine(ジルテック)、loratadine(クラリチン)など
・H2遮断剤や、三環系抗うつ薬が無効例に用いられることがある
・重曹やcromolyn sodiumも予防効果を示唆するがあまり用いられてない
・H1受容体拮抗・マスト細胞stabilizerやβ受容体up-regulatorであるketotifenはEIA治療に有用かもしれないが、USでは用いられてない。
予防は、運動12時間前に食事・薬物を避けること
・epipenなどを準備しておくこと
予防だが・・・・Arerugi. 2007 May;56(5):451-6.には、
There is no evidence to prevent the onset of FEIAn with medicines. Therefore, to avoid serious outcomes and unnecessary restriction, we believe it is important to be familiar with the diseases for not only physicians, but also school nurses and teachers of physical education.と・・・
by internalmedicine | 2007-08-15 14:59 | 呼吸器系