Stepping Stones:HIVリスク行為教育プログラム・・・なんとも微妙な結果
2008年 08月 15日

女性への暴力防止キャンペーンが、Stepping Stonesともリンクしているようである
(http://www.unaids.org/en/KnowledgeCentre/Resources/FeatureStories/archive/2007/20070308_Interview_Purnima_IWD2007.asp)
Stepping Stones:足掛かり、踏み石・・・まぁいろんな訳ができるだろう
イギリスで開発されたメソッド
It was originally designed both for use in existing HIV/AIDS projects and in general community development projects which plan to introduce an on-going HIV and sexual and reproductive health component. It was funded by multiple donors and was developed by the Strategies for Hope project, (now an independent trust), which was founded in 1989 with the support of ActionAid.・・・リンク切れまくりで、ホントに活動してるのかわからんが・・・
Stepping Stones is listed by UNAIDS in its recommended resources for community work, by UNIFEM in its Gender and HIV/AIDS web portal, by UNICEF in it technical and policy documents and many others.(http://www.steppingstonesfeedback.org)
ワークショップDVDが手にはいるようだ・・・
http://www.stratshope.org/t-training.htm
HIVとHSV-2頻度の飛び石現象のインパクトと性的行為:南アフリカの田舎;クラスターランダム化トライアル
Impact of Stepping Stones on incidence of HIV and HSV-2 and sexual behaviour in rural South Africa: cluster randomised controlled trial
Published 7 August 2008, doi:10.1136/bmj.a506
【デザイン】 Cluster randomised controlled trial.
【設定】 南アフリカEastern Cape地方の70の村 (クラスター)
【参加者】 男性 1360、女性 1416 15-26歳(主に学校)
【介入】 Stepping Stonesm 50 時間プログラムで、性的健康向上を目的に、知識、リスク啓発、コミュニケーション・スキルを構築し、意志決定的思考過程による応答を刺激するもの
村はランダムにこれらのプログラムをうけ、3時間介入しHIVや安全な性行為について介入をうけるもの
インタビューするものはアンケートをベースライン、12、24ヶ月行い、HIVやHSV-2の検査をする
【主要アウトカム測定】 HIVI頻度
他のアウトカム:HSV-2、非計画妊娠、性行為の報告、うつ、薬物不正使用
【結果】 Stepping StonesはHIV感染感染を減少させるエビデンスはない(補正発生rate ratio 0.95, 95% 信頼区間 0.67 ~ 1.35)
プログラムは、HSV-2を訳3%減少 (0.67, 0.46 to 0.97; P=0.036)
Stepping Stonesは新規HSV-2感染を2年時点で34.9(1.6 ~ 68.2)/1000住民減少
Stepping Stonesは有意に男性ではリスクある行為の回数を改善させ、2年フォローアップでの親密なパートナーへの暴力的行動報告を減少させ、12ヶ月時点での交流的行為を減らし、問題飲酒を減少させる
女性では、切望的な行動変容は報告されず、Stepping Stonesプログラムの行動変容は12ヶ月時点で交流的性行為が増加した。
【結論】 Stepping StonesはHIV感染感染を減らさないが、HIVのいくつかのリスク要因である、HSV-2と親密交際相手への暴力行為を減少させた。
なんとも微妙な結果だが・・・HIVリスクに関わる行動変容教育の方向性に間違いはないのだろう・・・
HIV関連の中心的活動をしていただかなければならない議員が内紛に巻き込まれているという噂があるが、彼の積極的活動が聞こえてこない。活動しないのであれば議員としての進退をそろそろ考えてはどうだろうか?
日本ユニセフの押しつけがましい仰々しい封書に書かれている住所をみるたびにその矛盾に疑問をもつ人も多い。実効性ある具体的活動かどうかつねにタイトレーションするこの論文の心意気はすばらしいと思う。
IAC(XVII International AIDS Conference 3-8 Aug. 2008 Mexico City)
by internalmedicine | 2008-08-15 09:00 | 感染症