THEAスコア:甲状腺機能亢進症・低下症予測スコア
2008年 08月 16日
定義:
overt hypothyroidism (TSH levels >5.7 mIU/L and FT4 levels <0.72 ng/dL)
overt hyperthyroidism (TSH levels <0.4 mIU/L and FT4 levels >1.56 ng/dL)
遺伝環境要因が自己免疫性甲状腺疾患(AITD:autoimmune thyroid disease )の病院に関連している。AITD患者家族はATIDのリスクが高いが、かならずしもovertな甲状腺機能異常疾患になるわけでない。
故に、その推定スコアがあればということで研究という話
女性において、5年以内にovertな甲状腺機能低下症あるいは甲状腺機能亢進症の発症を計算する広汎に応用できる、推定スコアはないかということ
Prediction of Progression to Overt Hypothyroidism or Hyperthyroidism in Female Relatives of Patients With Autoimmune Thyroid Disease Using the Thyroid Events Amsterdam (THEA) Score
Arch Intern Med. 2008;168(15):1657-1663.
前向き観察コホート研究でオランダのGravesもしくは橋本病とされた患者の血縁まで調査
累積頻度5年で7.5%、年間イベント発生率は1.5%
38名の甲状腺機能低下症、13名の甲状腺機能亢進症
独立したリスク要因はTSHとTPO抗体、家族背景(橋本病の2relativesまで)
TSHのリスクは 2.0mIU/L超でスタートする
数値的スコアであるTHEAスコアが、最大スコア21で、低リスク:0-7、中等度:8-10、高度:11-15、最大高度:16-21
THEAスコアは観察イベント発生率と相関(2.7、14.6、27.1、76.9%)
実は肝心のTHEAスコア・・・けちだから、そのうち公表されるのを待つのであった・・・
by internalmedicine | 2008-08-16 08:34 | 内科全般