ホルモン補充療法:生活の質改善:WISDOMトライアル

私には、納得しがたい主張なのだが・・・有害性を考慮して、判明した有用性のため利用すればよろしいということなのだろう。

アメリカでは乳ガンが減った:ホルモン補充療法消極化の影響?  2006-12-16等から考えれば動なのだろうか・・・?

“WHIでは生活の質(クオリティー・オブ・ライフ)はたいして改善されない”(http://www.wired.com/medtech/health/news/2003/03/58069)に反する報告となってはいるが・・・

”Women's International Study of Long Duration Oestrogen after the Menopause (WISDOM) ”にて併用HRTは睡眠、鈍痛・鋭痛、性的機能を改善する事が認められた。
この併用HRTは睡眠は2002年以降、劇的に、その使用が落ち込んでいる。WHI研究で乳ガンリスク増加するということが判明した時以降である。

MacLennanは、リスクはエストロゲン単独で使用したときには増加せず、エストロジェン・プロゲスチン併用7年治療後のみ増加し、重大な閉経後症状を有する女性の多くにとって、HRTのベネフィットがリスクを上回ると主張している。

WISDOM trialは10年フォローアッププランによりできたもので、WHI報告後早期中断し、QOL解析が行われたものである。

”conjugated equine estrogen(0.625mg/日)+ 連日medroxyprogesterone acetate(2.5 or 5.0 mg)という投与法


Welton A, et al "Health related quality of life after combined hormone replacement therapy: randomized controlled trial" BMJ 2008;337;a1190 doi:10.1136/bmj.a1190
【参加者】 50-69歳の閉経後女性
子宮を有する3721名の女性をエストロジェン・プロゲステロン併用 (n=1862)  と プラセボ(n=1859)にランダム割り付け
1年後の健康関連QOLのデータは1043、1087名で利用可能

【介入】Conjugated equine oestrogen 0.625 mg plus medroxyprogesterone acetate 2.5/5.0 mg or matched placebo orally daily for one year.

【主要アウトカム測定】
・Health related quality of life と psychological wellbeing 測定(女性健康アンケート調査)

・情緒・身体的閉経期症状:Centre for Epidemiological Studies depression scale (CES-D)

・包括的 health related quality of life と包括的 quality of life:European quality of life instrument (EuroQol) と visual analogue scale

【結果】プラセボ投与gに比べ、HRT群での女性の健康アンケートにお手委、1年後、小さいが、有意な改善がみられた
・vasomotor symptoms (P<0.001)
・sexual functioning (P<0.001)
・sleep problems (P<0.001)

ホットフラッシュの減少 (P=0.001)、夜間発汗減少(P=0.001)、関節・筋肉の痛み減少 (P=0.001)

乳部疼痛増加(P=0.001)、腟分泌増加 (P=0.001)

閉経後症状、うつ、全般QOLに関して有意な差なし

by internalmedicine | 2008-08-22 14:33 | 医療一般  

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