ザイロリックの降圧効果

ザイロリック(allopurinol)は結構気を遣う薬剤だと思うのだが・・・

痛風発症(6%の報告)と皮疹(添付文書:皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、剥脱性皮膚炎等の重篤な発疹又は過敏性血管炎・・・)で時に致命的となる可能性がある。ただ皮膚以上の頻度は1%未満で腎不全例で多いことと、ampicillinやamoxicillin併用時に多いことなど注意が必要である(参照:http://www.drugs.com/pro/allopurinol.html



いずれにせよ、一定の降圧効果が認められたようである。

Effect of Allopurinol on Blood Pressure of Adolescents With Newly Diagnosed Essential Hypertension
A Randomized Trial
JAMA. 2008;300(8):924-932.
介入:Allopurinol, 200 mg ×2/日 4週間 vs プラセボ

casual BP( ambulatory:24時間血圧測定などに 対比した言葉 )
平均収縮期血圧 allopurinolで –6.9 mm Hg (95% confidence interval [CI], –4.5 to –9.3 mm Hg) vs プラセボ –2.0 mm Hg (95% CI, 0.3 to –4.3 mm Hg; P = .009)
拡張期血圧 allopurinolで –5.1 mm Hg (95% CI, –2.5 to –7.8 mm Hg) vs プラセボ–2.4 (95% CI, 0.2 to –4.1; P = .05)


ambulatory BP
収縮期血圧 allopurinol –6.3 mm Hg (95% CI, –3.8 ~ –8.9 mm Hg) vs プラセボ 0.8 mm Hg (95% CI, 3.4 to –2.9 mm Hg; P = .001)
拡張期血圧 allopurinol –4.6 mm Hg (–2.4 to –6.8 mm Hg) vs プラセボ –0.3 mm Hg (95% CI, 2.3 to –2.1 mm Hg; P = .004)


casual 30名中20名が血圧正常に達したが、プラセボでは1名(P < .001)


たとえば、ALLHAT研究では前→1年後血圧変化は、クロルタリドン146/84 → 137/79、アムロジピン 146/84 → 139/79、リシノプリル 146/84 →140/80・・・単純比較してはいけないのだが、ザイロリックは無視できないほどの効果を持つようである。

by internalmedicine | 2008-08-27 11:26 | 動脈硬化/循環器  

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