最重症COPDに対する肺高血圧症治療薬ボセンタンの効果:RCT

トラクリア錠(ボセンタン水和物、bosentan)
肺動脈性肺高血圧症(WHO機能分類クラスIII及びIVに限る)。
* WHO機能分類はNYHA(New York Heart Association)心機能分類を肺高血圧症に準用したものである。


と、薬剤が高価なこともあると思うが、厳格な処方適用制限がされている。

一方、COPDの二次性肺高血圧症ってのはさほどPPAは極端には増加しない。だが、運動時の増加は運動+カテコラミン高値状態で増加する。
Crit Care v.5(6); 2001

ゆえに、肺高血圧治療が、運動耐用能、ひいてはQOL改善につながる可能性がある。

A randomised, controlled trial of bosentan in severe COPD
Eur Respir J 2008; 32:619-628
超重症COPD30名を、bosentan:プラセボ=2:1で割り付け、12週間
一次エンドポイント:6分間歩行距離
二次エンドポイント:health-related quality of life、肺機能、心血管血行動態、最大酸素摂取量・肺血管潅流パターン


12週間治療群では運動耐用能に改善はない(6分間歩行距離:平均±SD 331±123 vs 329±94 m)

肺機能、廃動脈圧、最大酸素摂取量、部分的な潅流パターンに変化はない。

逆に、bosentanで肺動脈圧低下し、肺胞動脈較差、QOLは有意に改善。

by internalmedicine | 2008-08-30 09:05 | 呼吸器系  

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