大野病院医師逮捕・裁判事件の投げかける衝撃:臨床医学研究にも影響が及んでいる

福島・大野病院事件?・・・というより、“逮捕裁判事件”と呼びたい・・・この影響は測り知れず

2つの新聞記事を並べると・・・医学の進歩にも悪影響を与えている証左になる?


臨床医学分野の論文数、日本は18位…中国にも抜かれる
2008年8月28日03時14分 読売新聞
臨床医学分野の日本の研究論文数は、ここ5年間は18位まで落ち込み、中国にも追い抜かれていることが、日本製薬工業協会医薬産業政策研究所の高鳥登志郎・主任研究員の調査で明らかになった。 英国の「ランセット」など著名な臨床医学誌3誌に掲載された論文数を国別に調べた結果、1993~97年と98~2002年の日本の論文数は、いずれも12位につけていた。しかし、03~07年では74本と18位に落ち込み、中国(15位)などにも追い抜かれた。
一方、米国の「ネイチャー・メディシン」など基礎医学分野の主要3誌の論文数は、日本は98~02年、03~07年とも、米国、ドイツに次いで3位を維持している。



こちらは以前紹介した新聞記事(毎日新聞というところが・・・お前が言うな!・・・だが)
 ↓
医学論文:急減 処分恐れ医師ら萎縮?  毎日新聞 2008年1月27日
副作用や合併症に関する医学論文の割合の推移 治療の副作用や合併症に関する医学論文の数が昨年後半から急激に減少したことが、東京大医科学研究所の上(かみ)昌広客員准教授(医療ガバナンス論)らのグループの調査で分かった。このうち、診療中に起きた個別の事例を取り上げた「症例報告」はゼロに近づいた。



最近は、医師仲間での勉強会でも症例検討会というもの・・・おいそれと開けなくなった。
資料流出による個人情報漏えいのリスクの問題と、やはり、資料がどこから漏れていらぬ訴訟沙汰に巻き込まれないとも限らないからである。

枡添や厚労省が選んだあほな委員会などは、医師数を増やせばすべてが解決するような浅はかな提言をしているが・・・そんなものではない。

医師そのものとして存在できなくなるリスク、それどころか、同僚の逮捕を医師たちが写真などで見たその衝撃・・・医師たちにも当然家族がいてその家族に悲しみを与えるというリスクが現実のものとなったのだ!

一罰百戒的に医師たちを攻め続ける人たちがいるが、はたして、社会全体から考えてそれがプラスになるのか・・・世界一ともいわれる日本の医療は量もだが質の崩壊も始まっている。


医療事故調なるものを政界・政府・マスメディアが推奨しているようだが、あれも使いようによっては今よりひどい状態になる。事案の閾値を低くしてしまい、ケーススタディーなどもできなくなる。

保岡法相は「医療事故の捜査 謙抑的な対応を」 と述べたそうだが、続く文章で、“これが医療を萎縮させ、医師確保にも重大な影響を与えている」と指摘。厚生労働省が検討している第三者機関「医療安全調査委員会(仮称)」の早期設置が望ましいとの考えを示した”((読売新聞、2008年8月30日))とのこと。

事故調はその内容次第で、医療にとどめを刺すこととなる。

by internalmedicine | 2008-08-30 10:52 | 医療と司法  

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