汗かきに運動誘発性ぜんそく少ない?
2008年 09月 09日
Exercise-Induced Asthma May Be Associated With Diminished Sweat Secretion Rates in Humans
(Chest. 2008; 134:552-558)
【背景】ムスカリン受容体は、呼吸系、汗、唾液、涙腺のacinar cell(日本呼吸器学会用語集では、“細葉”細胞となっているが・・・腺房細胞とするのが一般的だと思う)のwater secretion増加をもたらすアゴニスト作用をもつ。
Water channel aquaporin (Aqp) 5 遺伝子欠損マウスでは対照マウスに比べ、メサコリン誘起性気管支過敏性を示す。
メサコリン気道過敏性を惹起し、気道のhydrationが減弱しているぜんそく患者が存在する。
ヒトでのAqp5は呼吸系、汗腺、唾液腺、涙腺で発現されている。ゆえに、運動誘発性ぜんそくと過剰な気道過反応性を持つ人ではムスカリン受容体依存性発汗、唾液腺、涙腺分泌減少しているのではないかという仮説。
【方法】健康アスリートで、運動誘発性気道過敏性をもつ対象者。FEV1値はメサコリン誘発試験により決定。
pillocarpine誘発発汗測定を56名のボランティアで行い、唾液、涙液を採集
【結果】メサコリン誘発FEV1低下を示す過剰気道過敏性例ではpilocarpine誘起性発汗分泌低下を示す(n = 56; r = – 0.59; p < 0.0001)
pilocarpine刺激発汗率は唾液腺分泌速度 (r = 0.69; p < 0.0001)、発汗速度 (r = 0.86; p < 0.001)と高度相関。
【結論】多汗症、流涎症、過剰流涙は過敏性気道疾患への抵抗性をしめすphenotypeなのではないかと示唆される。
by internalmedicine | 2008-09-09 09:57 | 呼吸器系