吸入ステロイド使用者の心血管疾患死亡率低下という観察研究結果

“吸入ステロイド(ICS)→抗炎症作用→動脈効果抑制”という仮説の傍証・・・観察研究だからなぁ・・・と

Prospective Study of Inhaled Corticosteroid Use, Cardiovascular Mortality, and All-Cause Mortality in Asthmatic Women
(Chest. 2008; 134:546-551)
1976年の121700名の看護師対象のNHSによるデータで、ICS治療が心血管疾患や全原因死亡率に影響を与えるかというコホート研究で、2671名の持続性ぜんそくで、54%のICS使用

5年後、87名(3.3%)死亡
cardiovascular deaths, 22
cancer deaths, 31
other, 34 [including 4 from asthma])


ICS非使用女性に比較して、ICS使用女性では全原因死亡率低下(OR, 0.58; 95% 信頼区間 [CI], 0.36 to 0.92)

ICS女性は心血管死亡リスクを有意に減少 (OR, 0.35; 95% CI, 0.13 to 0.93)
癌死亡には相関がなく(OR, 0.66; 95% CI, 0.32 to 1.38) 、ほかの原因でも有意な相関がない (OR, 0.62; 95% CI, 0.30 to 1.27)

【結論】ICS使用は、喘息女性の心血管・前原因死亡率低下と有意に関連
観察研究データでは、ICS使用が抗炎症性のベネフィットを与えている可能性を示唆。




Prospective Study of Inhaled Corticosteroid Use, Cardiovascular Mortality, and All-Cause Mortality in Asthmatic Women
(Chest. 2008; 134:546-551)

by internalmedicine | 2008-09-09 11:03 | 呼吸器系  

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