高齢者:ビタミンB12と脳容積減少速度との関係

BBCとかNYTで取り上げられている論文

マスコミって、ビタミン大好き・・・ってのは世界共通?

ただ、日本のマスゴミとちがって、“This doesn’t mean you should go out and buy vitamin B12 tablets tomorrow”としっかり記述されている
そして、Oxfordの先生が、相関はあったが、“causal connection”ではないと述べている。

Vitamin B12 status and rate of brain volume loss in community-dwelling elderly
Neurology 2008 71: 826-832
認知機能異常のない107名のボランティア(61-87歳)で前向き研究
臨床所見、MRIスキャン、認知機能試験を年ごとに行い
血液検査で、血清ビタミンB12、transcobalamin (TC)、 holotranscobalamin (holoTC)、methylmalonic acid (MMA)、 総homocysteine (tHcy)、 血中葉酸測定

脳容積の低下がB12・holo TC値低値群、tHcyやMMA高値群で観察された。

直線回帰にてビタミンB1とholoTCの相関は年齢、性別、クレアチニン、教育、初回の脳容積、認知試験スコア、収縮期血圧、Apo{varepsilon}4 状態、tHcy、葉酸補正後も残存

ビタミン状態の3分位比較で、最低区分ビタミンB12 (<308 pmol/L) は脳容積喪失比率増加と相関 (odds ratio 6.17, 95% CI 1.25–30.47)

holoTC (<54 pmol/L)・ low TC saturation に関しても同様(odds ratio 5.99, 95% CI 1.21–29.81)

MMA、tHcy高値、葉酸低値は脳容積減少と関連せず



日本で、馬鹿マスコミが変な報道しませんように・・・

by internalmedicine | 2008-09-09 11:20 | 精神・認知  

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