MRI半月板損傷頻度は一般でも20%~50%超:病的意義の解釈は慎重に!
2008年 09月 11日
MRIにおける半月板損傷所見は、50-59歳女性で19%(95%信頼区間[CI], 15-24%)、70-90歳男性で56%(95%CI, 45-66%)という頻度
膝手術歴のある対象者において、実質的に低下は認められない。
レントゲンにて変形性関節症の所見(Kellgren-Lawrenceグレード 2以上(0-4のスケール評価)の患者のうち、pain、aching、stiffnessをほぼ毎日示す場合63%で、無い場合60%
63%。
OAのレントゲン所見のない対象者では32% と 23%
61%では、検査前1ヶ月間にpain、aching、stiffnessなし
Incidental Meniscal Findings on Knee MRI in Middle-Aged and Elderly Persons
N Engl J Med Vol.359:(11) 1108-1115 Sep. 11,2008

半月板:“meniscus”(複数形:menisci)は“two semilunar, fibrocartilaginous disks located between the medial and lateral articular surfaces of the femur and tibia in each knee”(2つのは年系の、線維軟骨性のディスクで、内側・外側の関節表面の間に存在する)
この鍵の機能は、膝のダイナミックな動きのときに、体重の移し、ショックを吸収することで、関節軟骨を保護することである。
:膝関節の大腿骨と脛骨の間にある軟骨の板で内側と外側で2枚ありクッションの役割を果たしています<引用>の方が分かりやすいかもしれない
半月板損傷(meniscal tear)は整形外科での診断として多く、鏡視下半月切除術(arthroscopic partial meniscectomy)がUSでは最も多い整形外科手術となっており、45歳以上の50%超ともなっている。
手術時行われる患者における先進国では筋骨格疾患の最も多い原因である変形性膝関節症のリスク増加が問題である。膝のMRIは半月板損傷の診断に用いられ、臨床医は内視鏡手術決定の要素として使用されている。
しかし、半月板損傷の疫学的データが不足し、解釈に困る事態が生じている。
そこで、この研究における、半月板損傷の一般的頻度、変形性膝関節症をともなう半月板損傷の関係を中年・高齢男性での大規模サンプルでしめしたもの
MRIで膝半月板損傷の所見があったからといって、一般における無症状でもその頻度は多く、その病的意義については慎重な判断を要するだろう。
by internalmedicine | 2008-09-11 08:59 | 運動系