アディポネクチンと大腸癌との関係
2008年 10月 01日
JAMAの報告としては2つの症例対照研究で、アディポネクチン(ADIPOQ)とアディポネクチン type 1 受容体(ADIPOR1)遺伝子の、10の頻度の多いsingle haplotype-tagging single nucleotide polymorphisms(SNPs)を解析し、ADIPOQ SNP (rs266729)が大腸癌リスク現象と相関していることを見出した。
大腸癌発生に関してadiponectinシグナルの重要性が次第に明らかとなっており、大腸組織にはADIPOR1とADIPOR2の発現がみられ、2つほど事前の報告で疫学的にもその関連が見出されていた。IGF系との関連がadiponectinと大腸がんの関連に役割を果たすという考察が成り立つ。高インスリン血症がIGFBP1の血中値を低下させ、未結合IGF1の増加をもたらし、IGF1高地は、細胞増殖に働き、apoptosisを抑制する・・・というもの
Variants of the Adiponectin (ADIPOQ) and Adiponectin Receptor 1 (ADIPOR1) Genes and Colorectal Cancer Risk
JAMA. 2008;300(13):1523-1531.
・研究1
年齢・性別補正後、3つのADIPOQ SNPsと一つのADIPOR1 SNPが大腸癌リスクと相関
リスク減少:rs266729 (adjusted odds ratio [AOR], 0.72; 95% 信頼区間[CI], 0.55-0.95)
rs822396 (AOR, 0.37; 95% CI, 0.14-1.00)
リスク増加:rs822395 (AOR, 1.76; 95% CI, 1.09-2.84)
rs1342387 (AOR, 1.79; 95% CI, 1.18-2.72)
・研究2
年齢・性別・人種補正後、同じSNPsで検討
減少ADIPOQ SNP rs266729(AOR, 0.52; 95% CI, 0.34-0.78)
結合解析にてrs266729:大腸癌リスク減少と相関 (AOR, 0.73; 95% CI, 0.53-0.99)
Adiponectin Gene Haplotypes and Tagging Single-Nucleotide Polymorphisms (SNPs)
by internalmedicine | 2008-10-01 11:15 | がん