アディポネクチンと大腸癌との関係

アディポネクチン、日本ではメタボリックシンドロームの鍵物質だそうだが、この血中値が大腸癌リスクと逆相関し、いくつかのリガンドや受容体遺伝子の多形型がその濃度に影響を与えているという報告が以前よりあったらしい。

JAMAの報告としては2つの症例対照研究で、アディポネクチン(ADIPOQ)とアディポネクチン type 1 受容体(ADIPOR1)遺伝子の、10の頻度の多いsingle haplotype-tagging single nucleotide polymorphisms(SNPs)を解析し、ADIPOQ SNP (rs266729)が大腸癌リスク現象と相関していることを見出した。

大腸癌発生に関してadiponectinシグナルの重要性が次第に明らかとなっており、大腸組織にはADIPOR1とADIPOR2の発現がみられ、2つほど事前の報告で疫学的にもその関連が見出されていた。IGF系との関連がadiponectinと大腸がんの関連に役割を果たすという考察が成り立つ。高インスリン血症がIGFBP1の血中値を低下させ、未結合IGF1の増加をもたらし、IGF1高地は、細胞増殖に働き、apoptosisを抑制する・・・というもの




Variants of the Adiponectin (ADIPOQ) and Adiponectin Receptor 1 (ADIPOR1) Genes and Colorectal Cancer Risk
JAMA. 2008;300(13):1523-1531.
・研究1
年齢・性別補正後、3つのADIPOQ SNPsと一つのADIPOR1 SNPが大腸癌リスクと相関

リスク減少:
rs266729 (adjusted odds ratio [AOR], 0.72; 95% 信頼区間[CI], 0.55-0.95)
rs822396 (AOR, 0.37; 95% CI, 0.14-1.00)

リスク増加:
rs822395 (AOR, 1.76; 95% CI, 1.09-2.84)
rs1342387 (AOR, 1.79; 95% CI, 1.18-2.72)



・研究2
年齢・性別・人種補正後、同じSNPsで検討

減少
ADIPOQ SNP rs266729(AOR, 0.52; 95% CI, 0.34-0.78)



結合解析にてrs266729:大腸癌リスク減少と相関 (AOR, 0.73; 95% CI, 0.53-0.99)



Adiponectin Gene Haplotypes and Tagging Single-Nucleotide Polymorphisms (SNPs)

by internalmedicine | 2008-10-01 11:15 | がん  

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