うつと冠動脈疾患.スクリーニング推奨 、 専門医への紹介、治療

“心疾患患者におけるうつ評価・紹介・治療”に関する推奨”・・・という翻訳になるのだろうか?

あらゆる臨床の現場でうつ評価が必要で、管理・治療終了時もその評価が必要・・・という身につなされる話

American Heart Associationの科学ステートメントとして、うつに関するスクリーニングを早期・規則的に行うべきという提言がなされた。
Patient Health Questionnaire(PHQ-9)を主とするもので、直近2週間の2つの症状にて次なる7つの質問項目追加で検査を勧めるもの。

3つの治療ストラテジーが冠動脈疾患とうつを有する患者の抗うつ薬、認知行動療法、身体運動(好気的運動や心臓リハビリテーションなど)にとって重要である。

● さまざまな状況(病院、診療所、クリニック、心臓リハビリテーション・センターを含む)でCHD患者のうつのルーチンスクリーニング。心臓疾患患者のスクリーンと治療の機会を逃さないことで、健康アウトカムの改善をもたらす可能性がある
● スクリーニングで陽性患者はうつの診断・管理の質を担保された評価がなされなければならない。
● うつ治療中の心臓疾患患者はメンタル・ヘルスとともに心血管系への安全性の観点から、医療機関でのアドヒランス、薬剤有効性、安全性をモニターしなければならない。
メンタルヘルスのモニタリングは、限定的なものでなく、うつ・自殺傾向悪化の可能性のある抗うつ薬治療中患者の評価、特に初回投薬開始で、まだ補正されてない時期や、薬剤変更、中止時に評価すべきである。心血管の健康モニタリングは、医療オフィス受診回数、ECGなどや薬剤血中濃度を個々の必要性と状況に応じて多く行うべきである。
●ワーキンググループは、SSRIであるsetralineとcitalopramの第一選択薬としての有用性をサポートするエビデンスを提示している。認知行動療法は、抗うつ薬と併用もしくは単独で有益。身体活動はうつ、心臓リハビリテーションにとって有益である。運動処方はここの患者の健康状態、環境にて個別化されるべきである。
● 医学・メンタルヘルス診断とを複合した医療専門家間のコーディネーションが必須と強調。ワーキンググループは、身体・精神医学の専門家のコーディネーションにて心臓疾患とうつの治療が相互的適切でに副作用をもたらさないようにと述べている。



Depression and Coronary Heart Disease. Recommendations for Screening, Referral, and Treatment
Circulation, 09/30/08(PDF →入手先:http://www.mdlinx.com/readArticle.cfm?art_id=2424657)
A Science Advisory From the American Heart Association Prevention Committee of the Council on Cardiovascular Nursing, Council on Clinical Cardiology, Council on Epidemiology and Prevention, and Interdisciplinary Council on Quality of Care and Outcomes Research Endorsed by the American Psychiatric Association



うつと冠動脈疾患.スクリーニング推奨 、 専門医への紹介、治療_a0007242_11401046.jpg


うつと冠動脈疾患.スクリーニング推奨 、 専門医への紹介、治療_a0007242_11463462.jpg

拙訳:
直近の2週間において、以下の問題で何回悩まされたか?
(1)何事にも興味がわかない or なにをやっても楽しくない
(2)気分的に落ち込んでいる、うつ、希望がない



うつと冠動脈疾患.スクリーニング推奨 、 専門医への紹介、治療_a0007242_11464941.jpg

PHQ-9うつスクリーニングスケール:http://www.depression-primarycare.org/clinicians/toolkits/materials/forms/phq9/questionnaire/

 →日本語訳の試みrelease.nikkei.co.jp/attach_file/0186815_01.pdf

by internalmedicine | 2008-10-01 11:39 | 動脈硬化/循環器  

<< 予防心臓病医学におけるスタチン... アディポネクチンと大腸癌との関係 >>