秋葉原無差別殺傷事件トリアージの番組を見て

昨日、待機のため、なにげに、テレビ見てたのだが、フジテレビ系で"サキヨミ”って番組で秋葉原通り魔事件あるいは秋葉原無差別殺傷事件のトリアージに問題があるのではないかという問題提起がなされていた。
伊藤隼人氏がゲストで、"結論先にありき”の放送だろうと思ってたが・・・案の定・・・カウンターパートの情報収集のない、最終的には医療機関批判へ結びつけようとする強い意図を感じる番組であった。"トリアージは災害とか多人数の事故の時に”しか使わないなどととんでもない嘘をのべていて、飲み物飲んでいたのだが・・吹いてしまった。Hospital Triage の存在に無知な"医療解説者”・・・いつもながらあきれるレベルである。NHKでさえ氏をレポーターとして採用しているようだが、マスコミの選別というのは書籍を発行していれば専門家という認識なのだろうか?書籍はその人の専門性を担保するものではないのだ(フジテレビには、日曜朝の黒岩という・・・輩もいるし・・・困った放送局だ)。


・・・だが、今回、ちょっと気になることがあった。

というのが、私自身、先日、地域の災害救急の医師としてかり出されたときに感じた疑問一致する部分があったからだ。

わたしが、地域の訓練で見たトリアージシステムは、救急隊員の直感によりなされているものであったのだ。隊員のお偉いさんに、「どのようなトリアージ方法を用いてるのですか?方法論を教えてください」と聞いたのだが、小馬鹿にした態度でトリアージの素人向け解説をしてくれたが、結局、triage tag systemの具体的方法論は聞けなかった。


東京都消防庁のサイトを見ると、"救急搬送トリアージ”が記載されている。秋葉原の事件の時の判断はこれに準じたものと想定される。・・・肝心のタグ基準が明記されてない。どのような場合で、黒なのか、赤なのかなどの判断基準である。METTAGやSTART・・・などがあるわけだが、公表しない理由というのは何なのだろうか?・・・知らしむべからずは・・・批判されても仕方がない。

それと・・・先進的でない一般の地域の救急・災害トリアージ・・・は、隊員の直感だけで、トリアージがなされているのではないかという私が感じた疑問・・・はもし私の危惧するようなことがあるなら、被災害者が訴訟するなんて事態も生じるかもしれない。私のいる地域では救急隊員の直感でトリアージがなされているのは確かであることを眼のあたりにした。

誤った情報を含んで、かつ恣意性のある番組ではあったが、トリアージへの議論が進めば決して悪いことではなかったことに結果的にはなるのかもしれない。

by internalmedicine | 2008-10-06 09:41 | 医療一般  

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