末梢性オピオイド・アンタゴニストの開発
2008年 10月 08日
Development of Peripheral Opioid Antagonists: New Insights Into Opioid Effects
Mayo Clin Proc. 2008;83:1116-1130
US Food and Drug Administrationが、methylnaltrexone と alvimopanという新しい治療範疇の薬剤を採用
これらは、末梢性のμ-オピオイド受容体アンタゴニストで、選択的に中枢神経の外の受容体で、オピオイド作用を選択的にreverseする。一方、中枢性の鎮痛効果を要する。
Methylnaltrexoneは、皮下投与にて、US、ヨーロッパ、カナダで承認。USでは、オピオイド誘発性の便秘治療として適応し、進行疾患(癌、AIDSなど)で、緩和ケアを受けている患者で、緩下剤効果不十分の時使用
Alvimopanは、経口剤で、USでは腸切除及びprimary anastomosis後の胃腸機能の回復促進剤として使用
開発段階での臨床・検査研究で、末梢受容体は他のオピオイド効果を仲介する可能性。すなわち、gastric emptying減少、吐き気、嘔吐、掻痒、尿排泄遅延などへの効果についてである。
検査研究にて、オピオイドは、以前知られていなかった基本的な細胞プロセスに影響を与え手いる可能性を示唆。すなわちHIV penetrationへの影響、腫瘍の血管新生、血管透過性、細菌ビルレンスについてである。
受動感作にも影響を与えるようであるAllergy and Immunology Vol.123,No.4 2000。ヘロインによるアナフィラキシーショック(Allergy. 1997 Sep;52(9):950-4.)というがあるわけだし、ヘロイン関連非心原性肺水腫(Heroin-Related Noncardiogenic Pulmonary Edema)((Chest. 2001;120:1628-1632.))なども関連があるわけで・・・
さらに、κオピオイド作動薬であるTRK-820などが血液透析患者における難治性掻痒症の改善を適応とする止痒薬として開発されている。
ref.麻薬誘起性便秘改善薬:methynatrexoneの有効性 2008年 05月 29日
by internalmedicine | 2008-10-08 15:25 | 医学