一般医家でのHCV抗体スクリーニング・ツール

日本では医療専門家も一般大衆も、リスク層別化というのを全く無視するからこういうのは無視されるのだろう。pre-test probabilityを無視してBSEの全頭検査するお国柄なのだから・・・

Validation of a Hepatitis C Screening Tool in Primary Care
Arch Intern Med. 2008;168(18):2009-2013.
【背景】 C型肝炎ウィルス(HCV)罹患率は米国全体で1.8%と推定されている。ガイドラインで推奨されているより、プライマリケアでのHCV検査率は少ないとされる。
検診すべきリスクの高い患者を見極めることが、クリティカルなステップである。
プライマリケア医療機関で臨床推定ツールを前向きに導き、評価する試み

【方法】 都市部内プライマリケア受診1000のランダム選択患者で、5つのHCVの属性(職業、薬品、曝露歴、病歴、社会歴)をもつ27項目アンケート
後、HCV抗体試験をおこない、多変量ロジスティック解析を行った。

【結果】 HCV抗体の頻度8.3%(95%信頼区間、6.7%-10.2%)
HCV抗体陽性患者は男性、高齢者、Medicaid保険で多い(P≦ .02)

医薬品、曝露歴、社会歴属性内のリスクを有する対象者では、HCV抗体陽性が多い

area under the receiver operating characteristic curveは、これら3属性下で0.77

陽性属性を含む和が多いほど、HCV抗体の尤度が高くなる

リスク要因ゼロの患者は、HCV抗体陽性はわずか2%のみ

【結論】 予測ツールは、血清検診が有益であるHCVリスクの高い患者を同定するのに有用で、このツールでアウトカム改善につながるかどうかが今後の研究の課題

by internalmedicine | 2008-10-15 09:00 | 消化器  

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