運動に勝る薬剤なし?

The Exercise Pill — Too Good to Be True?
N Engl. J Med. Vol. 359:(17)1842-1844 Oct. 23, 2008

運動
multiple signaling proteins活性化 
AMPK活性化

・運動耐用能促進+、oxidative phenotype増加+、Fiber-type変化+、インスリン感受性+、多臓器ベネフィット+

GW1516
・PPAR-δ活性化 →運動耐用能促進-、oxidative phenotype+、Fiber-type変化 -
・PPAR-δ活性化+運動 →運動耐用能促進+、oxidative phenotype+、Fiber-type変化


AICAR
→AMPK活性化→PPAR-δ活性化・他の蛋白活性化→運動耐用能促進+、oxidative phenotype増加+、Fiber-type変化+、インスリン感受性+


今のところ、運動は何より勝る薬であるという話・・・

骨格筋は運動・移動だけでなく、臓器代謝ホメオスターシスをコントロールという面で重要な組織である。筋繊維からなるわけで、type 1筋繊維はslow-twitch speedの収縮で、type IIはfaster-twitch speedの筋収縮で、あり、ともにoxidativeと解糖系の特性を持つ。骨格筋は高度の適用性があり、可塑性があり、運動トレーニングで、筋繊維の代謝・収縮特性の変化をもたらす。好気的運動トレーニング、ランニング・水泳などで、筋線維は“slow-twitch phenotype”となり、oxidative enzymeやグリコーゲン、GLUT4の増加をもたらし、筋内へのブドウ糖トランスポートを促進する。筋肉のインスリン感受性増加し、全身のブドウ糖ホメオスターシスを改善する。
運動不足となるとfast-twitch phenotypeへの転換し、好気的運動の能力低下し、インスリン抵抗性常態となる。

PPARδとAMP-activated protein kinaseの役割が注目され、ともに、筋原繊維の代謝・筋収縮特性と関連している。
PPAR蛋白は、核受容体で、転写ファクターとして働き、多くの遺伝子の発現を調整する。AMP-activated protein kinaseはマスターの代謝調整因子とされ、これも遺伝子発現を調整し、核蛋白のいくつかの蛋白のphosphorylationを通して行われる
NarkarらはPPAR-δ、AMP-活性化蛋白キナーゼが筋繊維の代謝調整コントロールに影響を与えているという仮説を唱えた。AMP活性化蛋白キナーゼは、PPAR-δのtranscription複合体の一部であり、こAMP-活性化蛋白キナーゼを直接・関節に活性化すると考察できる。

PPAR-δ agonist GW1516を、マウスに4週間投与したところ、oxidative geneの発現は増加したが、slow-twitch type繊維への転換、走行時間・距離の延長は見られなかった。 運動を加えたところ、転換の増加と耐用能増加が見られた。

マウスAICAR (5-aminoimidazole-4-carboxamide-1-beta-4-ribofuranoside)と呼ばれるAMP-activated protein kinaseのactivatorで処理したところ、44%運動耐用能改善し、トレーニング類似となった。5日ほどの投与で、筋肉中のグリコーゲン値、GLUT4、ミトコンドリア酵素を増加させたことを一致したもので、齧歯類でも遺伝子操作でマウス骨格筋のAMP-activated protein kinaseの活性増加し、運動耐用能のパフォーマンスの増加あり、ミトコンドリア酵素の増加をもたらす。AICARは筋肉へのブドウ糖取り組みを増加させ、血糖低下、adiposityを減少させる。

by internalmedicine | 2008-10-23 10:37 | 運動系  

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