極低体重新生児の早期インスリン治療 :確定的ベネフィット無し
2008年 10月 30日
極低体重児の高血糖がその後の合併症死亡率と関連するという報告(N Engl J Med 2001;345:1359-1367. )があり、多国ランダム化対照トライアルにて、早期インスリン補充が高血糖・合併症・死亡率に影響を与えるかどうかの検討にて、持続インスリン+dextroseにて軽度ベネフィットありという報告だが、28日目死亡率が高いITT解析結果となっており、標準化するには時期尚早と思われる。
Early Insulin Therapy in Very-Low-Birth-Weight Infants
N Engl J Med Vol.359:1873-1884 Oct. 30,2008
インスリン治療群 vs 対照群
血糖平均(±SD) 6.2±1.4 vs. 6.7±2.2 mmol per liter [112±25 vs. 121±40 mg ・dl], P=0.007)
インスリン治療群では高血糖が10%少ない (21% vs. 33%, P=0.008)
早期インスリン群では、炭水化物輸液が多くなり、体重減少が少ない (51±13 vs. 43±10 kcal per kilogram per day, P<0.001) 。第1週の体重減少は、–0.55±0.52 vs. –0.70±0.47; P=0.006)
早期インスリン群で低血糖エピソード(<2.6 mmol /L [47 mg /dL] 、時間 >1時間 )多く、29% vs. 17% P=0.005
低血糖の増加は有意に1kg超増加新生児に多い
ITT解析にてプライマリアウトカム(出産予定日の死亡率)とセカンダリアウトカム(合併症)に関して有意差無し
ITT解析にて、28日死亡率は早期インスリン群で高い(P=0.04)
by internalmedicine | 2008-10-30 08:47 | 医学