CRPは虚血性血管疾患の原因ではない:mendelian randomization法による解析

CRP値が虚血性心疾患・虚血性脳血管疾患と相関が報告されているが、CRPは虚血性血管疾患の一つのマーカー似すぎないし、CRPが実際に疾患に関与しているかは不明。
にもかかわらず、CRP低下ということを宣伝している薬剤メーカーや医学会のお偉いさんたちも存在する。

配偶子形成時に生じる遺伝子のrandom assortmentは、比較的バイアスのかからない評価方法となりえ、遺伝子構成要素が臨床的アウトカムに原因的に関連しているかを評価できる方法と考えられる。
この減少は時に、"mendelian randomization”と呼ばれる。

特異的な変異がCRPの血中値増加させるが、生涯の高値CRPが独立したリスク要因となり得るか評価するには良い方法であろう。


この方法による検討の結果、CRP高値が、動脈硬化過程の直接の真犯人でないと考えられるようだ。

Genetically Elevated C-Reactive Protein and Ischemic Vascular Disease
N Engl J Med. Vol.359:1897-1908; Oct. 30. 2008

CRP遺伝子のSNPsについて、genotypeはCRP値増加と相関し、虚血性心疾患・虚血性脳血管疾患リスクの増加も見られない。CRP値と血管リスクの相関は原因ではないと考えられる。



実は似たような検討が、ホモシステインでもあった
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高ホモシステインは必ずしも冠動脈疾患と関連しない・・・出版バイアスの可能性  2005年 11月 04日



‘Mendelian randomization’の詳しい解説
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‘Mendelian randomization’: can genetic epidemiology contribute to understanding environmental determinants of disease
International Journal of Epidemiology 2003;32:1-22

‘the behaviour of each pair of differentiating characteristics in hybrid union is independent of the other differences between the two original plants, and, further, the hybrid produces just so many kinds of egg and pollen cells as there are possible constant combination forms‘.




by internalmedicine | 2008-10-30 10:51 | 動脈硬化/循環器  

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