某メーカーがやろうとしているGERDスクリーニングに妥当性があるのだろうか?

エーザイの逆流性食道炎症(GERD)のアンケート・スクリーニングに関して疑問を持った(私らの地域はパイロットトライアルの地域らしい)。
新聞折り込みなども使い、大々的に、このアンケートで、GERDの啓発活動をするそうだから、一般医家に影響大であろう。

一見、結構な試みなのだが、話を聞けば、問題点が浮かび上がる。

大きな問題は2つ
1)スクリーニング試験のGold standardは内視鏡所見である
2)感度、特異度とも6割程度


”内視鏡屋が作り上げたアンケート調査”に持つ付く診療に、上腹部消化器不定愁訴(Functional Dyspepsia)を有する患者さんたちは満足する結果が得られるのだろうか?

GERDは悪性疾患などと異なり、患者にとってなにが重要かと言えば、愁訴なのである。そしてそれに基づくQOLへの影響が大字なのである。決して、内視鏡所見のそれが大事なのではない。

アンケートのGold Standardを聞き、愕然とした思いがした。

Gastroesophageal Reflux Disease (GERD): Risk Factors, and Impact on Quality of Life-A Population-based Study.
J Clin Gastroenterol. 2008 Oct 3.



さらに、大々的にやるにしては、感度・特異度とも6割程度という、半数未満で見逃し、半数未満で誤診というさほどすぐれてるともおもえないスクリーニング方法・・・臨床の現場に混乱をもたらすだけではないか?


毎日新聞を含めた全国・地方紙でこの啓発活動をするそうだが、その有害性に関しても考慮が必要と思うのだが・・・皆さんの意見はどうだろう?

ちなみに、この啓発薬であるPPIはOTC候補であり、医家治療薬のイメージを植え付けた上に晴れてOTCへ・・・という腹づもりが製薬会社あるのかもしれないと推測する。


毎日新聞&医療崩壊:google検索

by internalmedicine | 2008-11-01 10:40 | 消化器

 

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