末梢動脈疾患におけるObesity ParadoxがCOPDで説明可能?
2008年 11月 07日
末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease:PAD)患者のlate mortalityの原因として心血管イベントが主。BMI増加するとその死亡率が減少するというパラドックス。COPDの有無が心血管リスク要因と浮かび上がり、体重減少者へ影響を与えているという話
The Obesity Paradox in Patients With Peripheral Arterial Disease
(Chest. 2008; 134:925-930)
体重減少、正常、体重増加、肥満者の総死亡率はそれぞれ、54%、50%、40%、31%(p < 0.001)
COPD重症度階層分布分けにて、中等症から重症COPDが体重減少群で多いと判明
全てのpopulationで、BMIは死亡率と関連 (ハザード比 [HR], 0.96; 95%信頼区間[CI], 0.94 ~ 0.98)
体重減少群に分類された患者は死亡率リスク増加(HR, 1.42; 95% CI, 1.00 ~ 2.01)
しかし、COPD重症度補正後、その相関は有意ではなくなった(HR, 1.29; 95% CI, 0.91 ~ 1.93)
結論としては、体重減少者の超過死亡は、中等症・重症COPD患者の影響が大きい
COPDが"obesity paradox" の説明となり得るということ。
以下の報告もCOPDのインパクトを無視できなくなったということだろうか?
過体重は死亡率に影響なし 肥満・低体重は寿命短縮 2005年 04月 20日
体重増加と寿命:overweight(過体重)も寿命短縮 2006年 08月 24日
いづれにせよ、今後、心血管疾患リスク要因として、COPDを無視するわけにはいかなくなった!
by internalmedicine | 2008-11-07 09:31 | 動脈硬化/循環器