肺炎Clinical Failureの頻度、原因、タイミング、リスク要因
2008年 11月 07日
”治療失敗”とでも彼らは訳すかもしれない。"Clinical failure"の定義は報告によりばらつきが見られるようだ。“development of respiratory failure or shock”という単純な定義もあれば、以下の典型的な定義もある。
1. Death – 3-day, 7-10 day, 30-day(http://www.fda.gov/cder/meeting/CAP/Musher.pdf)
2. Persistent or recurrent bacteremia by causative organism on Rx
3. Complication: necrotic lung, empyema, remote infection (joint, bone, heart valve)
4. Delayed defervescence
5. Duration of hospitalization
・・・これに準じているようだが・・・
Incidence, Etiology, Timing, and Risk Factors for Clinical Failure in Hospitalized Patients With Community-Acquired Pneumonia
(Chest. 2008; 134:955-962)
500名検討で、"Clinical failure”としたのは、 67 名(13%)で、CAP関連Clinical failure は54名 (81%)。そのCAP関連のclinical failureは、重症敗血症(33%)、急性心筋梗塞(28%)、肺炎の重症化(19%)。
重症敗血症は入院後72時間で全例生じている。
CAPに関連しないclinical failureは、HAP(45%)発症である。
入院時点でのCAP関連のclinical failure予測因子は、高齢、うっ血性心不全、低血圧、病的ガス交換、アシドーシス、低体温、血小板減少、胸水である。
ともすると、肺炎の初期治療不成功だけに注目するが、敗血症と急性心筋梗塞にも注目すべき・・・ということか
by internalmedicine | 2008-11-07 10:47 | 感染症