抗ガン剤多剤併用多ければいいという状況ではない

多剤併用療法の意義としては、単剤にくらべ耐性化や複数の機序による副作用軽減効果などあると思いますが、現時点で、肺非小細胞癌(NSCLC)では3剤以上で生存率の改善までいたってないということです。


Benefits of Adding a Drug to a Single-Agent or a 2-Agent Chemotherapy Regimen in Advanced Non–Small-Cell Lung Cancer
A Meta-analysis
JAMA. 2004;292:470-484.
NSCLCの化学療法のいくつかのトライアルでは1剤、2剤と加えることで奏功率があがることがのべられているが、生存率へ利点があるかは不明。
NSCLC化学療法のデータからのメタ・アナリシスで、1剤と比較して2剤で奏功率、生存率改善。2剤を3剤と比較した場合は奏功率増加したが生存率に変化無し。

65トライアル(13601名)を検討。

2剤vs単剤:
腫瘍奏功率 OR 0.42; 95%CI 0.37-0.47; P<.001
1年生存率  OR 0.80; 95% CI, 0.70-0.91; P<.001
生存率中央値比 0.83 (95% CI, 0.79-0.89; P<.001

3剤vs2剤:
腫瘍奏功率 OR 0.66; 95% CI, 0.58-0.75; P<.001
1年生存率 OR 1.01; 95% CI, 0.85-1.21; P = .88
生存率中央値比 1.00 (95% CI, 0.94-1.06; P = .97

by internalmedicine | 2004-07-29 10:39 | 呼吸器系  

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