COPDなどのインフルエンザ桿菌のコロナイゼーションは細菌培養で同定されない可能性

感染性を有するインフルエン桿菌の多くの種類はH influenzae type b (Hib)で、polyribosyl ribitol phosphate (PRP) capsuleを有し、95%のインフルエンザ桿菌の侵襲的疾患(細菌血症、髄膜炎、蜂か織炎、喉頭蓋炎、敗血症性関節炎、肺炎、膿胸)や眼内炎、骨髄炎、心内膜炎なども生じる。莢膜を有さない、すなわち、タイプ分け不能である菌種群である、Nontypeable Haemophillus influenzae(NTHi)はひとの上気道の正常細菌叢の役割である一群の細菌。多くの疾患にも関わっている。

NTHiは健康、社会経済学的な大きな問題を生じる。たとえば、NTHiによる下気道感染は発展途上国の新生児・子供の死亡率に大きく関わり、先進国・発展途上における合併症の大きな原因である。
キャリアは健康であるが時に急性、局在性の感染症(たとえば、中耳炎、副鼻腔炎、肺炎、結膜炎など)を生じる。加えて慢性気管支炎、気管支拡張症、嚢胞性線維症などの肺の基礎疾患で感染増悪を生じる可能性がある。多くはないが、敗血症、心内膜炎、喉頭蓋炎、敗血症性関節炎、髄膜炎などの状態をも生じる。

Biofilmとの関連 in vitroでNTHiがbiofilmを形成し、臨床的に分離されたもので3つの外膜蛋白(P2、P5、P6)がbiofilmつくるときに表出されている。planktonic growthと比較してlipopolysaccharideの表出は変化している。中耳炎の子供やCOPD成人でBiofilmの特徴がNTHiの病原性やNTHiの免疫反応の理解のためが重要であろう。など


Persistent Colonization by Haemophilus influenzae in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 170. pp. 266-272, (2004)
前向き研究としてNTHi分離株を月ごとに収集し、分子学的分類を目的とした。
陰影の培養が1ヶ月以上つづく122回のエピソードと事前、事後のH.influenzaの同定株をフォロー。陰性培養の17回のエピソードでは6ヶ月以上続き、203人月におよび、陰性培養の時期にH.influenzaeと同じ株の持続的なコロナイゼーションがあるという仮説の検証を詳細に試みた。3つの独立した分子学的タイピング方法により、培養陰性事前、事後で実際に同定された。培養陰性とされた喀痰試料のなかで株特異的なH.influenzaeが同定された。この結果、COPDのある患者ではH.influenzaeのコロナイゼーションが持続性に生じ、喀痰培養はCOPDにおけるH.influenzaeのコロナイゼーションの頻度を過小評価している可能性がある。
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by internalmedicine | 2004-07-29 15:11 | 呼吸器系  

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