頸動脈動脈硬化:閉塞型無呼吸と高血圧の相加的作用

循環器系の医者のOSA(閉塞性睡眠時無呼吸)を継子扱いする態度ってのは変わらないようだ。治療抵抗性高血圧のAHAステートメント(2008年 04月 13日)ってのが有るのにかかわらずである。

Additive Effects of Obstructive Sleep Apnea and Hypertension on Early Markers of Carotid Atherosclerosis
Hypertension online publication Nov. 17, 2008
閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)は動脈硬化の独立したリスク因子として認められている(日本以外;訳者注)。しかし、OSAは、高血圧(HTN)などの動脈硬化のいくつかのリスク要因と相関している。
OSAと高血圧それぞれ単独と併発の場合の関連性は不明であった。

筆者らは、94名の中年非喫煙者・糖尿病を4群に分けて検討
対照 (n=22), OSA (n=25), HTN (n=20), OSA+HTN (n=27).

PSG・頸動脈IMT・直径・distensibility測定全例

対照と比較して、IMTと頸動脈直径はOSAとHTN群では同様に大きい(713±117 、 7117±805 µm)、HTN 群 (713±182 、 7191±818 µm)、さらに、OSA+HTN群では有意に大きい (837±181 と7927±821 µm; P<0.01)

頸動脈distensibilityは、対照に比べ、有意にHTN (P<0.05)、OSA+HTN群で低い (P<0.001)。OSA+HTN群では、頸動脈distensibilityはOSA群・対照群より低い (P<0.05)

多変量解析にてIMTは収縮期血圧とAHIと正の相関を示す。
AHIは頸動脈直径の唯一の推定因子である。
年齢と収縮期血圧は、独立して頸動脈distensibilityと関連。


結論として、OSAとHTNは頸動脈動脈硬化症のマーカーとして相加的効果を有する。頸動脈動脈硬化の早期指標は将来の心血管イベント予測故に、卒中ばかりでなく、心筋梗塞の予測因子となるのでこれらの所見はOSA患者の将来の心血管疾患発症リスク増加を説明することとなる


JSH2009案:(http://www.jpnsh.org/manuscript080920.html)が発表されている。

無呼吸症候群を検索すると、”睡眠時無呼吸症候群”と相変わらず、時代遅れの表現を行っている。以前は記載がなかったのだから進歩と言えば進歩だが・・・あくまで、特殊な病態
なぜか、本文中は、”閉塞が睡眠時無呼吸症候群”という病名で取り扱っている。
【閉塞型睡眠時無呼吸症候群】
1. 睡眠時無呼吸症候群は,肥満とともに増加し,メタボリックシンドロームの高リスク群として,今後,本邦でも増加する二次性高血圧の背景病態と考えられる。
2. 本邦の睡眠時無呼吸症候群の特徴として,小顎症など顔面骨格の特徴による非肥満例も多い。
3. 昼間の眠気を訴える典型的な肥満患者はもとより,夜間尿,夜間呼吸困難,夜間発症の心血管イベントや,治療抵抗性高血圧,特に治療抵抗性早朝高血圧,正常血圧にもかかわらず左室肥大を示す例では,積極的に睡眠時無呼吸症候群を疑う。
4. 睡眠時無呼吸症候群では,夜間低酸素発作時に血圧変動性を伴うnon-dipper・riser型夜間高血圧を示し,その血圧高値は早朝へ持続し,「早朝高血圧」として検出されることが多い。
5. 重症睡眠時無呼吸症候群を合併する軽中等度の高血圧患者では,まず持続性陽圧呼吸療法を行う。
6. 降圧目標レベルは,胸部大動脈や心臓への睡眠時胸腔内陰圧負荷の増大を加味して,特に夜間血圧を含めた,より厳格な降圧療法を行う。




参考:閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSA)のCPAP治療:血圧に与える影響 2006年 06月 17日

by internalmedicine | 2008-11-19 14:25 | 動脈硬化/循環器

 

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