新生児BCG接種:スタンプ法にこだわる必要なし? 皮下と同等

intradermalは皮下でよいのだろうが、日本式BCG接種方法である、”percutaneous”をどう訳すか、わからなかったので経皮的と一応訳しているのでご了解を・・・スタンプ法としても良いのかわからなかったが・・・


世界的に見れば、BCGは、現在、皮下投与がもっとも使われており、WHOの推奨されている唯一の方法である。日本だけが1966年からBCGをpercutaneous投与しており、その後南アフリカでも行われている。南アフリカでの検討によると、このスタンプ法と皮下投与法では新生児接種に関しては、効果的に同等であったという報告。

Efficacy of percutaneous versus intradermal BCG in the prevention of tuberculosis in South African infants: randomised trial
Published 13 November 2008, doi:10.1136/bmj.a2052
Cite this as: BMJ 2008;337:a2052

【介入】 新生児を誕生24時間以内に、Tokyo 172 BCGワクチンを経皮 (n=5775) ・皮下 (n=5905)投与でわりつけランダムに割り付け、2年フォロー
【主要測定項目】 肺結核感染の記録・レントゲン・臨床的なエビデンス
二次測定項目は副作用率
全原因・結核に基づく入院・死亡率
【結果】
細菌学的、レントゲン学的、臨床的所見をベースにして、definite、 probable、 possibleな結核累積発症率を皮下投与、経皮投与で、 –0.36% (95.5% 信頼区間 –1.27% ~ 0.54%)。
”25%内”という程度での累積結核発症率は、投与法の違いで有意な差はない。
加えて、死亡(1.19, 0.89 ~ 1.58).を含めて、副作用累積頻度 (リスク比 0.98, 95% 信頼区間 0.91 ~ 1.06)の有意な差はない。
【結論】南アフリカ生下時ワクチン後2年フォローにて、BCG皮下投与と経皮投与の間に結核発生に関して等価性が見られる。
WHOはそのポリシーとして、より実践的という皮下投与を勧めるべきとしている


日本のBCG接種方法が変わるかどうかわからないが、なんらかの反応が権威機関から必要だろう

by internalmedicine | 2008-11-22 10:25 | 感染症  

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