カフェイン入りコーヒーは心疾患・弁膜疾患予防的に働く

コーヒーはリスク要因ではなく、一部、良好な影響を与えるというのが一般的な考えと成っている
Cardiovascular effects of coffee: is it a risk factor?
Prog Cardiovasc Nurs. 2005 Spring;20(2):65-9.


高血圧老人での検討で、カフェイン入りコーヒーで良好な心血管・心臓弁膜疾患への影響
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Caffeinated Coffee Consumption, Cardiovascular Disease, and Heart Valve Disease in the Elderly (from the Framingham Study)
the American Journal of Cardiology Vol 102(11) 1502-1508(1 Dec. 2008)
カフェイン入りのコーヒー飲料量と心疾患合併症・死亡率は疫学的に中等度から重症高血圧のない老人ではNHANES研究で明らかとなった
この相関をFramingham Heart Study対象で検討し、心血管リスク要因と健康行動を記録した分で調査。Cox回帰分析を参入時点1354名65.4-96.6歳で検討

フォローアップ11.1年間で、心血管疾患死21名、冠動脈疾患118名

収縮期血圧(BP)<160 mm Hg・拡張期BP < 100 mm Hgの対象において、カフェイン入りコーヒー消費量と冠動脈疾患死亡率の有意な負の相関が見られる
カフェイン入り vs なし CHD死亡リスク減少がみられる43% (95% 信頼区間 9 ~ 64)
このリスク減少はカフェイン入りコーヒー消費量と心臓弁膜症発症・進展に関して負の前向き相関が見られるるようである。
収縮期BP<160・拡張期BP<100mm Hg対象の心臓弁膜疾患のリスク減少は、カフェイン入りコーヒーvs なしで43% (95% 信頼区間 4 ~ 66)


中等症・重症高血圧老人のFramingham対象において、カフェイン入りコーヒー消費量はCHD死亡率リスク減少・心臓弁膜疾患減少と相関する



一方で、気になる報告もある。高GI食によるインスリン感受性低下
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Caffeinated coffee consumption impairs blood glucose homeostasis in response to high and low glycemic index meals in healthy men
American Journal of Clinical Nutrition, Vol. 87, No. 5, 1254-1261, May 2008
カフェイン入りコーヒーを高GI食ととると、カフェイン無しコーヒーに比べ、AUCは、血糖147%、インスリン 29%、Cペプチド40%高くなる(P < 0.001)
インスリン感受性が有意にカフェイン入りコーヒー摂取後の高GI食では低下する。
低GI食では、カフェイン入りコーヒー摂取後インスリン感受性29%低下するが差は有意ではなかった。


ケーキなんかと一緒に食べるとあんまり良くないようだが・・・

by internalmedicine | 2008-11-25 09:24 | 動脈硬化/循環器  

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