うつの心血管イベント増加:に行動的要素・特に身体不活動性で説明可能

糖尿病などで、うつにより糖尿病コントロール悪くなることは臨床上経験する。身体運動活動性が低下するためなのか、別の要因があるのか、時々、議論になる。ライフスタイルと薬物アドヘレンスなどが問題なのだろうという結論になることが多い(http://www.sciam.com/article.cfm?id=depression-linked-to-poor SOURCE: General Hospital Psychiatry, November/December 2008)

全般的に、心血管イベントではどうか?

うつ症状のある患者は心血管イベントリスク増加をもたらす。
Heart and Soul Studyでは、1017の安定狭心症外来患者の前向きコホートで、Whooleyらは、うつ症状と心血管イベントが合併症状況、ベースラインの心疾患重症度、生物学的・行動メディエーターによる差異で説明できる。
著者らは、ベースラインでうつ症状無しの患者と比較して、うつ症状ありの患者では心血管イベント発生リスクが高く、これは主に行動的要素・特に身体不活動性で説明可能である。

Depressive Symptoms, Health Behaviors, and Risk of Cardiovascular Events in Patients With Coronary Heart Disease
JAMA. 2008;300(20):2379-2388.
4876人年フォローアップにて341名の心血管イベント数
年齢補正心血管イベント年発生率は、うつ症状あり(PHQスコア≧10, n=199)の場合10.0%、うつ症状なし(n=818)の場合6.7%](ハザード比 [HR], 1.50; 95% 信頼区間, [CI], 1.16-1.95; P = .002)

合併症・疾患重症度補正後、うつ症状は31%心血管イベント増加と相関(HR, 1.31; 95% CI, 1.00-1.71; P = .04)

関与生化学メディエーターの補正後この相関は減衰する (HR, 1.24; 95% CI, 0.94-1.63; P = .12)

さらに、行動的メディエーター補正後、その有意な相関はなくなる (HR, 1.05; 95% CI, 0.79-1.40; P = .75)

by internalmedicine | 2008-11-26 13:53 | 精神・認知  

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