COPD急性増悪と感染症

COPDと診断され泣けば始まらないCOPD急性増悪に関する総説

Infection in the Pathogenesis and Course of Chronic Obstructive Pulmonary Disease
N Engl J Med. Vol. 359:2355-2365 Nov. 27, 2008


歴史的に見れば、British hypothesis(注. Dutch hypothesisと紛らわしい:(Chest. 2004;126:93S-95S.) )からCOPDの原因として繰り返す気道感染と粘液腺過分泌が考えられていた。

たばこ曝露がその後、主な原因として同定されてきたが、急性増悪との関連性に関して未だ未解決であり、喀痰中からの細菌の同定頻度はCOPD安定期と急性増悪で同じという現象があり、疑問がさらに深まっている。

20年間未解決のまま、感染症の機序の理解が深まり・・・

提示の病態モデル
1)Aquisition of new bacterial strain
↓←Pathogen virulence、Host lung defence
2)change in airway and systemic inflammation

3)increased in respiratory symptoms, with or without systemic symptoms

4)Strain-specific immune response, with or without antibiotics

5)Elimination of infecting strain

1)へ戻る


細菌、ウィルスの役割、細菌・ウィルス相互作用
慢性感染:バクテリアコロナイゼーションと炎症
慢性感染の他のエビデンス


COPDの慢性感染のメカニズム
・生来の防御機構
・vicious circle仮説:本来の防御機構が崩れ、微生物コロナイゼーションとが持続性炎症と感染を繰り返す



軽症:1つの基本徴候:・呼吸苦増強 ・喀痰化膿度増加・喀痰量増加

 ↓
抗生剤無使用
気管支拡張剤追加・増量
対症療法
症状モニター


中等度・重症:2-3の基本徴候
 →合併症無しCOPD
リスク要因無し
年齢<65歳
FEV1予測値>50%
<年3回急性増悪
心疾患無し


新規マクロライド(アジスロマイシン、クラリスマイシン)
セファロスポリン(cefuroxime、cefpodoxime、cefdinir)
Doxycycline
Trimethoprim-sulfamethoxazole
もし直近3ヶ月の抗生剤使用有れば、別のクラス



 →合併症ありCOPD
一つ以上のリスク
年齢≧65歳
FEV1予測値≧50%
≧年3回急性増悪
心疾患あり


Fluoroquinolone(moxifloxacin、gemifloxacin、levofloxacin)
Amoxicillin-clavulanate
・緑膿菌リスクあれば、ciprofloxacinと喀痰培養
・直近3ヶ月の抗生剤使用あれば、違うclassの種類

by internalmedicine | 2008-11-27 13:51 | 呼吸器系  

<< 男性のみビタミンKでインスリン... BODE指数によるCOPD急性... >>