INTEREST研究:イレッサの名誉回復
2008年 11月 28日
薬というのは人類の財産である・・・手順の不備というだけで、この薬剤を葬るのはあまりに忍びない。患者に利益性の高い薬剤だとおもうのだが・・・
同様なことは、ベロテックで経験済み(櫻井女史の矛盾 2008年 05月 16日)であるはずなのだ・・・
非小細胞肺癌(NSCLC)はしばしば進行期において、薬剤の有効性とともに毒性が大事なポイントである。
INTEREST研究は、白金製剤ベースの化学療法前治療をうけたNSCLC患者へのセカンドライン治療としてのdocetaxelベースの化学療法と比較したEGFR receptor inhibitor であるgefitinib のpIIIトライアル
gefitinibの非劣性が証明され、毒性がすくなく、信頼できるsecond-line治療オプションであるということが示された。
Gefitinib versus docetaxel in previously treated non-small-cell lung cancer (INTEREST): a randomised phase III trial
The Lancet, Volume 372, Issue 9652, Pages 1809 - 1818, 22 November 2008
【背景】前治療ありの進行非小細胞肺癌(NSCLC)2つの第2相トライアルで化学療法よりgefitinibが有効で、毒性が少ないということが示唆された。
プラチナベースの化学療法前治療ありの局所進行・転移性NSCLC患者にdocetaxelとgefinitibを比較した
【方法】オープン・ラベルのpIII研究
2004年3月1日から2006年2月17日まで、24ヶ国の149センター
1466名の前治療(プラチナベースのレジメンを最低1回含む)ありのNSCLC患者を割り付け
・dynamic balancing to receive gefitinib (250 mg per day orally; n=733)
・docetaxel (75 mg/m2 intravenously in 1-h infusion every 3 weeks; n=733)
主要目的は、群間の全般生存比較でper-protcol populationの非劣性比較とEGFR遺伝子コピー数をITT解析すること
【結果】1433 患者をper protocol解析(gefinib 723名、docetaxel 710名)
gefinitiveとdocetaxelの非劣性比較を全般生存で確認(593 vs 576 イベント;ハザード比 [HR] 1·020, 96% CI 0·905—1·150, 非劣性クライテリア合致; 生存中央値l 7·6 vs 8·0 ヶ月)
EGFR遺伝指数患者 (85 vs 89 名) のgefinitibの優越性は判明できず(72 vs 71 イベント; HR 1·09, 95% CI 0·78—1·51; p=0·62; 生存中央値 8·4 vs 7·5 ヶ月)
gefinitib群で、もっとも多い副事象は皮疹とざ瘡(360 [49%] vs 73 [10%]) と下痢 (255 [35%] vs 177 [25%])
docetaxel群では、顆粒球減少 (35 [5%] vs 514 [74%])、無力症 (182 [25%] vs 334 [47%])、脱毛 (23 [3%] vs 254 [36%])
【結論】docetaxelと比較して、gefitinibの生存非劣性が示され、gefinitibはNSCLC進行期前治療のある対象車への信頼性のある治療法であることが示唆された。
by internalmedicine | 2008-11-28 09:45 | がん