ACCOMPLISHトライアル:高リスク高血圧患者のACE阻害剤併用には降圧利尿剤よりアムロジピン

カルシウム拮抗剤の逆襲:ACCOMPLISHトライアル 2008年 04月 02日・・・ACCで発表のため、既に報道されている。

高リスク状態の高血圧患者では、ACE阻害剤+カルシウム拮抗剤(CCB) vs ACE阻害剤+降圧利尿剤では降圧効果は変わらないが、心血管イベントへ減少効果は前者が優れるというクリアカットな報告

Avoiding Cardiovascular Events through Combination Therapy in Patients Living with Systolic Hypertension (ACCOMPLISH)トライアルがACE阻害剤+amlodipineがACE阻害剤+サイアザイド系利尿剤に勝るか仮説を検証するため行われた。

現行のUSのガイドラインでは利尿剤推奨を含むよう推奨しているが、高血圧についての最適な併用治療はまだ確立していない。二重盲検トライアルで高リスク高血圧患者で、benazepril+amlodipine or hydrochlorothiazide(HCTZ)にて、benazepril+amlodipineがbenazepril+HCTZより、心血管イベント減少に役立つことが示された


Benazepril plus Amlodipine or Hydrochlorothiazide for Hypertension in High-Risk Patients
N Engl J Med. Vol. 359:(23) 2417-2428 De. 4, 2008
【方法】ランダム化二重盲検トライアルにて、11506名の心血管イベント高リスク高血圧患者をbenazepril+amlodipine or benazepril + HCTZに割り付け
主要エンドポイントは、心血管原因死亡+非致死的心筋梗塞+非致死的卒中+狭心症入院、突然心臓停止後蘇生、心血管再建術
【結果】ベースラインの2群特徴は類似
事前中止基準範囲を超えたため平均フォローアップ36ヶ月後早期に終了

補正後平均血圧は
benazepril-amlodipine群:131.6/73.3 mmHg
benazepril-HCTZ群:132.5/74.4 mmHg



主要アウトカム測定は
benazepril-amlodipine群:552 (9.6%)
benazepril-HCTZ群:679(11.8%)

ARRはbenzazepril-amlodipine治療で2.2% 、RRRで19.6%(ハザード比、0.80,95%信頼区間[CI], 0.72-0.90;P<0.001)

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心血管原因死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的卒中からなる二次エンドポイントで、ハザード比は0.79(95% CI, 0.67-0.92; P=0.002)

副事象イベント利率は、検討薬剤既観察事象率と一致

【結論】benazepril-amlodipine併用群はbenazepril-HCTZ併用より、高リスク状態患者への心血管イベント減少し優れている。



考察から・・・
違いの無かったALLHATと、違いの出たACCOMPLISHの相違点は、
1)前者がchlorthalidoneで、後者がhydrochlorothiazideであったこと
2)アムロジピンがRAS抑制的に働き、有益性があったのではないかということ
3)HCTZ 25mgは広汎な臨床応用量であるが、至適心血管ベネフィットをもたらすには不十分で、1mg未満しか血圧低下作用がなかったという報告がある。


臨床トライアルデータでは、利尿剤は降圧効果以外、心血管イベント抑制利益作用機序はないため利尿剤の効果は限定的なのかもしれない。


ARB+HCTZ合剤を結構使ってる身としてはショッキング

論文序文から併用療法に関する知識を得ようと思う。

降圧治療が降圧効果をこえた心血管ベネフィットをもたらすことのエビデンスはまだ充分なものではない。高心血管イベントリスクにある高血圧患者では多剤併用をガイドライン推奨血圧目標に到達するため使用されている。単剤を検討するようなデザインでは、追加薬剤が使われたりするが、これが、解釈に影響を与える場合もある。
JNC7とヨーロッパガイドラインでは、併用治療は目標の20/10 mm Hg以上の時考慮すべきというもので、JNC7はサイアザイド系利尿剤を併用治療に含むことを推奨している。
しかし、サイアザイド利尿剤を含まない治療法も考慮されるべき。
CCBであるamlodipineが血管内皮NOのavailability増加させるという報告もある。一方、amlodipine+ACE阻害剤の併用は、単剤同士よりNOにより効果をもたらすという報告もある。単剤同士より、併用で実験動物、ヒトの報告でも動脈硬化病変進展を抑制する報告が積み重なっている。ヒトでは、左室肥厚・arterial stiffnessなどの低下効果である。



ACE阻害剤の耐用性の問題からARBへ置換して考え様とする向きも多いだろうが、可能かどうかは・・・今のところ不明?


calcium antagonist+AT1-receptor blockerのcombinationに関する知見は少しずつ増えているようである。・・・・特に日本で!
 ↓
Effect of Olmesartan on Tissue Expression Balance Between Angiotensin II Receptor and Its Inhibitory Binding Molecule
Hypertension, October 1, 2008; 52(4): 672 - 678.

Oxidative Stress in Mononuclear Cells Plays a Dominant Role in Their Adhesion to Mouse Femoral Artery After Injury
Hypertension, March 1, 2008; 51(3): 797 - 802.

Calcium Channel Blocker Azelnidipine Reduces Glucose Intolerance in Diabetic Mice via Different Mechanism Than Angiotensin Receptor Blocker Olmesartan
J. Pharmacol. Exp. Ther., December 1, 2006; 319(3): 1081 - 1087.

Attenuation of Inflammatory Vascular Remodeling by Angiotensin II Type 1 Receptor-Associated Protein
Hypertension, October 1, 2006; 48(4): 671 - 676.

by internalmedicine | 2008-12-04 09:23 | 動脈硬化/循環器  

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