地名を病名にすると禍根を残す

地名を病名にすると問題を残すそうで、かつ、それが解決するまで時間がかかるということです。

日本脳炎、日本住血吸虫てのも考えてみれば問題ありそうだけど、日本人は問題にしないですね。水俣病というのは問題ありでしょうか。国自体が水俣病という名称で研究しているわけで・・・住民が何も言わないからいいのか・・・

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BMJ 2004;329:272 (31 July), doi:10.1136/bmj.329.7460.272

病名は最初に記載された場所や多い場所で知られることが多い。マルタ熱もマルタ住民が多く反対したにかかわらず、波状熱、特に、リウマチ熱へ移行することがしばしばある消耗性の熱性疾患を呼ぶようになった。
これには他に多くの名称がある:Rock or Gibraltar fever、Cyprus、Neapolitan、Italian、Crimean feverである。しかしマルタ熱というのが好まれて使われる病名である。
地中海熱が国際会議で推奨されたが、多くの場所で見つけられるため現実的にはそぐわない病名である。
Sir David Bruceが、マルタ島で死亡した軍人の脾臓に原因菌を見つけ、Micrococcus melitensisとなずけた(Melitaとはマルタの古い名前)
1903年Colonial Officeで、“マルタ熱について”とRoyal Societyへ書簡を送り、Bruceは繰り返し“一度名前が文献上定着すると、変更は困難である。しかし、地中海(Mediterranean)というのはながったらしくて、短いことばであるマルタ、古くて短いことばであることに人々はなれているので”。翌年細菌の伝播の検索の念願に成功し、“地中海熱”委員会という名前を使用した。しかしながらかれは1906年・1907年の論文のタイトルやテキストにマルタ熱を使用し、1908年の“Research Defence Society”冊子 にもマルタ熱の死滅(動物実験のレッスンの部分)と使用している。

マルタの医者たちは、マルタ熱の継続的な使用に不快を表明した。
1927年には、マルタのCamera Medicaおよび英国医学の学術協会のマルタ支部のメンバーが、英語、イタリア語、フランス語、スペイン語およびドイツ語版3ページのパンフレット中の波状熱の地理的方面の病名の停止を嘆願した。

4年後に、少将卿デービッド・ブルースFRSは死去し、Malta ChronicleおよImperial Services Gazetteは死亡記事に一部を、ヤギのミルクによるマルタ熱の伝播の発見にBruceが正確には寄与していないとした。Dr J E Debonoはただちに反応して、偉大なマルタ島医師のSir Themistocles Zammitの重要な発見とクレジットをあたえ、そして、もう一度波状熱という名前を要望した。

Debonoは、“マルタ島と関連するといおう最後の証拠は消えるでしょう。そのような変化はが望ましいかどうかはわからないが、過敏になっている人たちの満足感はあたえるでしょう。”
この疾患がブルセラ症として知られ、地理的な前に由来する用語を、より敏感な世代となり使用するものはいないことをSir David Bruceは熱望していたのかもしれない。
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もっとも、日本ではブルセラの方をよろこぶ連中がいそうな気もするが・・・

<独り言>
SARSなんて中国異型肺炎て何故言わないのだろう、国際的発言力が日本より高いからか・・・すくなくともそんな国にODAは必要ないだろう

by internalmedicine | 2004-07-30 14:42 | 医学  

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