肝癌移植のあたらしいクライテリア:Up-to-seven criteria で 対象増加

HCCの移植適用に関して、Milanクライテリア(single tumour ≤5 cm in size or ≤3 tumours each ≤3 cm in size, and no macrovascular invasion) が用いられていて、生存率が優れている一群が選別されるが、治癒機会や臓器活用性を最大限とするバランスのうえでこれを上回るクライテリアの可能性がある。
より制限が少なく、移植候補者としての質評価をより多くの患者で行え、客観的な腫瘍の性状の特性にもとづく予後モデルを引用し、それがMilanクライテリアを凌駕できるか確認した研究



Up-to-seven criteria(hepatocellular carcinomas with seven as the sum of the size of the largest tumour [in cm] and the number of tumours)
最大の腫瘍サイズのcm数腫瘍数の合計が7

Predicting survival after liver transplantation in patients with hepatocellular carcinoma beyond the Milan criteria: a retrospective, exploratory analysis
Metroticket Investigator Study Group
The Lancet Oncology, Early Online Publication, 4 December 2008
生存率を後顧的に相関を調査したもの
・size of the largest tumour nodule
・number of nodules
・presence or absence of microvascular invasion detected at pathology

contoured多変量回帰Coxモデルにて、様々な共変数の組み合わせで推定

この研究の主目的は、Tumour Node Metastasis classificationを用いた主たるパラメータによる腫瘍特性に基づく全般生存予後モデルである。
二次目的は、Milanクライテリアを凌駕するHCC患者のサブグループの同定であり、5年生存率が少なくとも70%を超えるというもので、これはMilanクライテリアでの基準である

2006年6月25日から2007年4月3日の10ヶ月において、36センターの1556名のHCC移植施行患者にて検討

移植後の病理評価にて、1112名はMilanクライテリアを超過し、444名はMilanクライテリアを超過してなかった。

クライテリア超群のHCC患者では最大結節サイズは40 mm(range 4-200)で、個数中央値は4(1-20)
454/1112(41%)が微小血管浸潤で、Milanクライテリア外の移植では5年包括生存率は53.6%(95% CI 50.1-57.0)、クライテリア合致群では73.3%(68.2-77.7)
サイズと数増加と相関するハザード比(HR)は1.34(1.25-1.44)、1.51(1.21-1.88)
Effectはサイズに線形であり、数、特に3個を超す場合は傾向はプラトー
腫瘍サイズ・数のeffectは再発によりmediateされる (b=0·08, SE=0·12, p=0·476)
微小血管浸潤の存在は全てのシナリオのHRを倍加する。
283名の微小浸潤の存在しない283名の患者で、Up-to-seven criteria(最大腫瘍サイズ[cm表現]+腫瘍数の合算が7の肝細胞癌s) では5年生存率は71.2% (64·3—77·0)に達した。


このクライテリアにより、さらに多くのHCC患者が移植候補となる


現実には今困ってる人達への助成が大事だろうに

by internalmedicine | 2008-12-16 10:10 | 消化器

 

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