エベレスト山登頂死亡者の検討・・・高地脳症の関わり大きい

エベレスト登頂も観光化されていると聞いたことがあるのだが・・・どうも、高地脳症による混乱状態が登頂にまつわる死亡原因と関連するらしい



Christmas 2008: Sport
Mortality on Mount Everest, 1921-2006: descriptive study
BMJ 2008;337:a2654
【目的】 エベレスト山への86年間の登山者の死亡率パターン調査

【デザイン】 Descriptive study.

【セッティング】 Climbing expeditions to Mount Everest, 1921-2006.

【検討対象】 14 138 mountaineers; 8030 climbers and 6108 sherpas.

【主要アウトカム測定】 Circumstances of deaths.

【結果】 ベースキャンプより高地での登山者での死亡率は1.3%
死亡は
・外傷 (objective hazards or falls, n=113)
・非外傷 (高山病, 低体温症, or 突然死, n=52)
・ 行方不明 (body never found, n=27)

1982-2006年の登山シーズンの春の間に、登山者死亡の82.3%は登頂への試みで生じている。

標準ルートからの下山での死亡率はsherpaより高い (2.7% (43/1585) v 0.4% (5/1231), P<0.001; all mountaineers 1.9%)

8000mより上の94名の登山死亡者のうち、53(56%)は登頂からの下山途中であり16(17%)は帰還後、9(10%)は登頂中、4(5%)は最終キャンプを離れる前、12(13%)は登頂意図ステージ不明

標準ルート経由の登頂までの時間中央値は非生存者より生存者で速い(0900-0959 v 1300-1359, P<0.001).

強度疲労(n=34)、認知機能変化(n=21)、ataxia(n=12)の報告が非生存者で多いが、呼吸苦(n=5)、頭痛(n=0)、吐気・嘔吐(n=3)で稀。

【結論】 高地脳水腫に一致するdebilitating symptom(衰弱症状)がエベレスト山頂からの下山途中に多く見られる。深疲労と山頂登頂への時間の遅れが続発死と関連する早期特徴である




しかし、シェルパはなれてるようだ・・・ほんとに偉いのはこの人たち





確かに、頂上に登りたい気持ちはわかるが・・・
http://www.panoramas.dk/Fullscreen2/Full22.html

by internalmedicine | 2008-12-20 09:42 | 医学

 

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