若年競技アスリートの運動可否ガイドライン


時々困るのは、若い人が長距離マラソンやアスレティックの前に、参加条件に必要だからと言って診断書をもちこまれること

”心臓突然死予防のための若年者の参加前検診”

日本では、では、
"心疾患患者の学校,職域,スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン"
(循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2001-2002年度合同研究班報告)(pdf)
がある。

だが、エビデンスに基づくかといえば、権威づけされた意見の集大成に過ぎない。ガイドライン自体に
心疾患患者の運動許容条件については,,無作為化比較試験のようなエビデンスがないのが現状である.しかし,心疾患患者の重症度の判定やそのための検査については,エビデンスがある.そのエビデンスを利用して,多くの専門家が合意するような運動許容条件の勧告あるいは目安を示すのが本ガイドライン
と、逃げている。

”ある特定の心疾患患者の運動許容の最終判断は,患者をとりまく環境を考慮して,担当医と患者本人がおこなうものである.そのための目安として本ガイドラインがある”と、存在さえ疑問を抱かざる得ない逃げ口上のみである。・・・こまるのはこのガイドラインが、司法判断に使われると困る・・・裁判官はちっとも信頼できないし・・・


US・ヨーロッパのガイドラインは心臓疾患疑いがある競争競技参加アスリートの検診推奨しているが、リスク増加に関わる所見に関して、そして、活動性を制限すべき対象に関して一致してない部分がある()・・・というのを前提に” Italian Pre-Participation Screening Program for Athletes”の価値が高まっている。

25年前、イタリアでは、競技前検診プログラムを専門的なトレーニングを受けた医師が、12誘導心電図にて検診、Corradoらは、後顧的にイタリアのプログラムの詳細を検討し、約10%が次なる検査、通常心エコーに回された。この時期の不適正と判断した率は約2%ほどと2倍かした。そしてアスリートの突然死率は10万対3.6→0.4と激減した。

この解析にてアスレティック参加者の突然死の激減効果があったものと考えられる。


Pre-Participation Screening of Young Competitive Athletes for Prevention of Sudden Cardiac Death
J Am Coll Cardiol, 2008; 52:1981-1989, doi:10.1016/j.jacc.2008.06.053
1982年12誘導心電図を含む競技前検診国家的プログラムがイタリアで行われた。
この記事の目的は、25年検診プログラムが信頼でき、助言を含む一般健康戦略となりえるか考慮するものである。
長距離走イタリアの経験データの解析では、ECGスクリーニングは致命的となり得る心筋症や不整脈の検知に適切な感度・特異度があり、若年者競技種目アスリートの死亡率低下の90%減少に寄与するというもの
かなりのコストのかかる知見であり、イタリアに感謝
マススクリーニングプログラムの組み入れに関して現行の科学的エビデンスを注意深く公衆健康施策として世界中で考慮されなければならない。





12-step screening may help reduce sudden death in young athletes
American Heart Association scientific statement
http://www.americanheart.org/presenter.jhtml?identifier=3046150

by internalmedicine | 2008-12-22 08:01 | 運動系  

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