ベースラインLDLが低いほど治療効果あり

ベザフィブラート治療に限ったことなのだろうか?・・・LDLコレステロール値の基礎値が低いほど予防効果があるという・・・私には意外な結果(フルテキストを手に入れて・・・補充しようと思う)なのだが、The Lesser, The Betterの一表現型なのかもしれない。

この高脂血症治療に関して、世間で、一次予防と二次予防の混同がなされてるが、この結果は冠動脈疾患二次予防の話・・・・

Relation of Clinical Benefit of Raising High-Density Lipoprotein Cholesterol to Serum Levels of Low-Density Lipoprotein Cholesterol in Patients With Coronary Heart Disease (from the Bezafibrate Infarction Prevention Trial)
American Journal of Cardiology Volume 103, Issue 1, Pages 41-45 (1 January 2009)
3020名のCADを持つ患者の、7.9年フォローアップ、非致命的心筋梗塞・心疾患死亡を定義とする主要心血管イベントが脂質レベル変化と関連した。
ベースラインLDL値をNCEP-ATPクライテリアに従いカテゴリー化
多変量解析にて、HDL値増加のベネフィットはベースラインLDL低値(≦129 mg/dl)では5mg/dlHDL増加毎に29%リスク減少)、中間LDL値(130-159 mg/dl)では5mg/dl毎に13%リスク減少し、高LDL値(≧160mg/dl)ではハザード比 0.94(95%信頼区間 0.75-1.17, p=0.14)で有意差認めず

同様の相関が、トリグリセリド減少でも見られるが、LDLコレステロール減少のベネフィットはベースラインLDL高値(≧130 mg/dl)例で特に特に大きい。。


結論は、このデータは、HDL・トリグリセリド治療改善による臨床的改善効果はベースラインのLDL値と逆相関することである。

ベースラインの脂質値とフォローアップ脂質値をともに評価することで、CAD二次予防患者の治療目標に新たな目標値が設定されることとなるだろう

by internalmedicine | 2008-12-27 10:49 | 動脈硬化/循環器  

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