保険者は保険制度説明義務を果たしてないのではないか?

保険者は被保険者に懇切丁寧に保険制度を説明する義務があるのではないか!保険者がこの義務を怠ってるため現場に負荷をもたらしている経験をする。たとえば、“住民検診を受けてないから、レントゲンを撮りに来た”“ヘリコバクターピロリを調べてくれ。癌にならないため”などを保険診療を前提として希望してやってくるのである。これを説明して、自由診療に持って行けない場合、病院側の労苦はただ働き+悪評垂れ流しされるのである。

診療側から言わせれば、“保険者側が説明義務”を果たしてないといえるのだ。
また、窓口負担を払わない輩が増えている。そもそも、なぜ、診療側が代理徴収しなければならないのか?・・・以前から思っている疑問である。

こういう事例がでてきた。
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歯科無料診療 得をするのは誰なのか(12月28日)
北海道新聞 12月28日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/137825.html
無料診療は一見、誰も損をしないようだが、過剰な診療や不要な診療が繰り返されると、国民健康保険をはじめ、ただでさえ財政が厳しい各種健康保険の運営に悪影響を及ぼすだろう。


診療側にとっては、窓口請求無しや勝手な減免はやってはいけないことは常識なのだが、残念ながら被保険者にとってはその常識さえないのだ。

医療保険制度-保険診療のしくみ-

http://www.ssk.or.jp/sikumi/iryou.html



役人も保険診療や自費診療・自由診療の枠を突き詰めてないのではないかという問答の一場面がある。質問に正確に答えてないのである。
  ↓
○福井専門委員 まず1つ目は、出産のために入院した人が同時に骨折などのけがをして、その治療を同じ病院で同時に行うということは適法か違法かということ。
 第2は、例えば自動車事故の治療を、当初損害保険の方で始めて、一連の治療の途中で医療保険の方に切り変えるということができるのかどうか。
 3つ目は、自由診療の健康診断という中で見つかったポリープについて、その検査の途上で切除してしまうという治療行為が混じるということができるのかどうかというのについて、適法・違法かという現行制度の枠組みでの評価をお聞きしたい。


○武田室長  自由診療と言いますか、保険外診療ですね。例えば健康診断で異変が見つかって、検診と言いますのは、あくまで診断行為ですが、病気を前提としていないものなので、途中で異常が見つかりまして、病変があるということで、そこから治療に切り変わった場合については、その時点から保険診療という整理が可能だろうと思っています。
いわゆる「混合診療」の解禁(保険診療と保険外診療の併用)について
http://www8.cao.go.jp/kisei/giji/02/wg/action/02/gaiyo1.html


アホ役人・馬鹿役人と書くとよく批判されるのだが、ほんとの事だから仕方がない。
現場での物事を追求することなく、机上で仕事をやってるからそうなるのだ・・・

by internalmedicine | 2008-12-29 09:15 | 医療一般  

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