”FDAヘルシンキ宣言放棄”について(The Lancet)

FDAヘルシンキ宣言放棄は前から言われていたようだが、結局、最終的にそうなったようだ。
中国辺りをターゲットとした話(http://switchofmood.blog99.fc2.com/blog-entry-179.html)というのに納得


Helsinki discords: FDA, ethics, and international drug trials
The Lancet, Volume 373, Issue 9657, Pages 13 - 14, 3 January 2009
1964年ヘルシンキ宣言(The Declaration of Helsinki. In: Emanuel EJ, Grady C, Crouch RA, et al, eds. The Oxford Textbook of Clinical Research Ethics. New York: Oxford University Press, 2007.)ヒトのリサーチに関する倫理的スタンダードの権威づけステートメントである。

Drafted by the
World Medical Associationにより策定され、6つの改訂が行われ、2008年10月がもっとも直近である(World Medical Association. Declaration of Helsinki. http://www.wma.net/e/policy/b3.htm(accessed Oct 25, 2008).)。
米国FDAでも長年、薬剤ライセンスの外国臨床研究においてこの宣言を遵守することが求められていた。2008年10月27日、Fダは正式にこの宣言に遵守することをやめ、GCP(Guideline for Good Clinical Practice)のInternational Conference on Harmonization(Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration. Human subject protection; foreign clinical studies not conducted under an investigational new drug application. Fed Reg. http://www.fda.gov/cber/rules/forclinstud.pdf. 22800-16. (accessed Nov 9, 2008).)に遵守することとなった。
FDAのこの最近の活動は、agencyが2000年改訂を経済的発展途上国でのプラセボ対照トライアルにおける制限せざるえないため2001年こに始まった改訂の結果である。ただ、FDAのこのアクションの現実的な結果は不透明である。国際的な臨床トライアルの一部のみ適応するというのは、今後どうなるか、そして、研究のホスト国が、ヘルシンキ宣言を承認し、emulateしているregulationを持つ国がいくつもあるということも問題である。

しかしながら、外国のトライアルが増加しているこのタイミングでは、FDAの新しいポリシーは問題がおおい。GCPが欠ける"moral authority"を有していること、長年、研究の倫理的スタンダードとされてきたで、 World Medical Associationは全世界の85の医学学会が米国・EU・日本からの投票メンバーのみからなるInternational Conference on Harmonization であること。GCPの著者は、ヘルシンキ宣言の権威を認識し、宣言と一致性が目標と述べている。
FDAは世界の最大の薬剤マーケットのregulateを行い、これがヘルシンキ宣言の置き換えになり、リサーチの倫理的スタンダードを軽視されるようになることを危惧する。

by internalmedicine | 2009-01-02 18:23 | 医学  

<< ICU患者の消化器系・口腔咽頭... サリチル酸系薬剤が糖尿病治療・... >>