中年男性において高尿酸血症は心血管疾患・全原因死亡率のリスク要因となり得るが・・・
2004年 07月 31日
参考
にもかかわらず、日本のガイドラインはリスク要因としての治療を勧めています。脳内エビデンス・脳内でもあるのでしょうか?
一応、中年男性に関して心血管・全原因死亡率に関しては独立したリスク要因のようです。以前の報告と一致しているようです。
Uric Acid Level as a Risk Factor for Cardiovascular and All-Cause Mortality in Middle-aged Men
A Prospective Cohort Study
Arch Intern Med. 2004;164:1546-1551.
11.9年平均フォローアップ。フォローアップ中157名の死亡、うち55名は心血管死亡。年齢補正分析で3分位中の上位血中尿酸値では最低分位に比較し2.5倍超の心血管リスクが高い。心血管リスクや痛風関連変数を斟酌することで、相対的リスクは3.73となる。さらにメタボリック症候群に関連する要因補正でさらにリスクは高まり4.77となる。利尿剤使用の53名の男性を除外してもその結果は変わらず。
年齢補正分析で尿酸値3分位最上位群は最低群にくらべ1.7倍死亡しやすい。リスク要因の補正で幾分その関連は深まる。
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高尿酸血症は血小板凝集をin vitroで促進し、冠動脈血栓性疾患のリスクを増加させるという仮説が想定されております。
でも、冠動脈疾患に対して痛風発作既往のない高尿酸血症治療が必ずしも必要でないし、高尿酸治療により冠動脈疾患を予防した報告は皆無に等しいと最上記Reviewでかかれております。
“降圧療法は血清尿酸値低下作用も兼ね備えた降圧剤、特にロサルタン、その他アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、カルシウム拮抗薬、α1遮断薬の選択が望ましい。”なんて根拠のないことをガイドラインとなづけてよくかけるもんだなあと・・・
そういう“えびでんす”はないだろ!
by internalmedicine | 2004-07-31 10:38 | 動脈硬化/循環器