医療は「しっぺ返し」プログラムの隘路に陥っている

医療崩壊における「しっぺ返し」プログラム

囚人のジレンマ
A:協調  (3点)
B:協調  (3点)


A:協調  (0点)
B:裏切り (5点)


A:裏切り (5点)
B:協調  (0点)


A:裏切り (1点)
B:裏切り (1点)


「協調」的立場、「裏切り」の立場のどちらを選択するか?

4つの論理構造が「ミニマックス」、すなわち、他のプログラムに積極的に勝つことはないが、負けたときの失点が少ないという戦略が結果的には最強であった。

戦略
・プログラムは、互いに「協調」の立場からはじまる
・相手が「協調」なら、次の回は「協調」を行う
・相手が「裏切り」なら、次の回は「裏切り」を行う
・これを繰り返す



例:
A(自分)   B(対戦相手) 得点
1. A(協調) B(協調) 3
2. A(協調) B(裏切り) 0
3. A(裏切り) B(協調) 5
4. A(協調) B(協調) 3
5. A(協調) B(協調) 3
6. A(協調) B(裏切り) 0
7. A(裏切り) B(協調) 5
8. A(協調) B(協調) 3
9. A(協調) B(裏切り) 0
10. A(裏切り) B(裏切り) 1


どんなに美辞麗句、時には「赤ひげ」などと医師側の人権を無視した強制言動をマスコミ・行政が強いても、リスクの多い職種にだれもつきたくないというのは当たり前である。ミニマックス的に言えば、やはり、リスク多い診療科にすすむのは勝負を放棄しているようなものだ。
いまだに、マスコミのコメントには、医療側に超人的能力、体力をが当たり前などと思っていると思われるものが多い。この前、同窓会的なものがあったが、医者同士の会話はほとんどが現場からいかに逃避するかがその話題の中心であった。いかに医者という職種が追いつめられているのか、東京にすむ政治家や官僚、マスコミ、いい加減な評論家、実地を知らない大学教職のものたちはしらない。


参考文献:ゲーム理論トレーニング かんき出版 逢沢明(amazon.co.jp

by internalmedicine | 2009-01-03 09:59 | 医療と司法  

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