肘進展試験は肘骨折臨床判断に役立つ



The elbow extension test
座位患者で、受傷、回外位腕にて、肩が90度曲がるか尋ね、両腕を十分進展させて、ロックする。受傷・非受傷側も視認して、十分進展している場合は“full extension”と記載

Criteria for recall
*肘が 十分まっすぐにできない
*とう痛増悪、改善なし
*すべての機能的問題(腕を使うことが困難な場合すべて)
*上記でカバーされない患者の関心、研究者の関心すべて



【目的】 完全に肘が伸びるならルーチンの臨床として、肘受傷患者の骨折を除外として判断しうるか?

【成人デザイン】 二次医療での多施設前向き介入評価研究
小児:二次医療での多施設前向き観察研究
【セッティング】南西イングランドの5つのED

【参加者】 急性肘受傷にてED受診2127 成人・小児

【介入】 ルーチンケアで肘進展試験にて成人においてレントゲンが必要か、子供においてフォローアップガイドとなるか

【主要アウトカム測定】 肘骨折のレントゲンの存在、7−10日めにさらなる検討が必要ないこと

【結果】 1740名の参加者のうち、602名が完全に肘進展可能
2名が肘頭(olecranon)骨折で、治療必要
521名で骨折同定
包括的に、肘骨折検知の検査感度、特異度は、96.8%(95% 信頼区間: 95.0-98.2)、48.5%(45.6%-51.4)
完全に進展可能な場合の、骨折に対するnegative predictive valueは成人 98.4% (96.3 -99.5)、子供 95.8% (92.6 - 97.8)である。
Negative likelihood ratiosは、成人 0.03 (0.01 - 0.08) 、小児  0.11 (0.06 - 0.19)

【結論】肘進展試験は、ルーチンに臨床意思決定に対するinformにルーチンに用いることができる。受傷後肘完全進展できない場合はレントゲン評価が望ましく、約50%に骨折の可能性がある。完全肘進展可能な場合、レントゲン評価せずとも肘頭骨折がない場合信頼できる。
症状が7−10日で改善しない場合、レントゲンを行わなかった場合は今度は考慮する


Elbow extension test to rule out elbow fracture: multicentre, prospective validation and observational study of diagnostic accuracy in adults and childrenBMJ 2008;337:a2428

by internalmedicine | 2009-01-03 10:59 | 運動系  

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