閉塞型無呼吸症候群におけるeNOS と OSASの炎症

閉塞型無呼吸症候群患者にeNOを夕方と、PSG施行後の朝、測定したもの

Sleep-Disordered Breathing, Obesity, and Airway Inflammation in Children and Adolescents
(Chest. 2008; 134:1169-1175)
年齢補正にて、平均 (± SD)午後eNO濃度は有意にいびき群 (14.1 ± 1.1 parts per billion [ppb]) において、PSG正常の正常体重(10.1 ± 0.8 ppb; p = 0.03) や過体重群(8.9 ± 0.8 ppb; p = 0.007)より高い。
午後のeNO濃度はOSAS群(11.9 ± 1.0 ppb) と正常PSG過体重群とも差がある(p = 0.03)
朝のeNO濃度はOSAS群 (12.3 ± 1.1 ppb)で、正常体重群(9.9 ± 0.8 ppb; p = 0.047)、過体重対照群(9.7 ± 0.7 ppb; p = 0.02)より高い

BMI z scoreは午後、午前ともeNO濃度と有意な相関はない。




閉塞型無呼吸症候群の炎症の大元は?ひとつのエディトリアルがある。
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(Chest. 2004;126:1-2.)
UPPPを受けた患者の組織では上皮下浮腫、過剰な形質細胞浸潤、結合織乳頭の表面積減少がみられる。そして、この乳頭こそ上皮のアンカーとなるべき構造である。鼻腔洗浄液内には多形核白血球がみられ、bradykininやVIPの濃度増加、そして、一部には、軟部組織の振動運動(vibration frequencies)により生じるものと思われる。局所炎症に加え、全身性炎症の存在が示唆。TNFαやIL-6濃度はOSAS患者で増加し、重要なことにTNFα分泌の概日リズムは健康ボランティアと全く異なる。nCPAP3ヶ月にてこの異常パターンに変化は認められず、OSASの病態に機械的閉塞以外のメカニズムが関与している可能性がある。CRPはOSASでやはり増加するが、nCPAP1ヶ月後、BMI変化無くとも、CRPの著しい減少と、IL-6単球産生の減少が見られる。
superoxide anionやhydroxyl radicalなどのROSは細胞障害性、虚血再潅流障害などで見られるがこれらのROSがOSAS患者で産生増加が見られる。nCPAP治療後、過酸化代謝は正常になり、炎症進行するかどうかが、CNSを含め認知機能、行動異常などに効果をもたらす。Goldbartらは、cysteinyl leukotriene receptor (LTR)-1 と LTR-2のupregulationの存在を報告。両受容体の発現は主に扁桃実質の上皮層やextra follicular areaに主に存在し、LTR-2は、心臓、脳、副腎に存在。


喘息との関係なども興味有るところである・・・

by internalmedicine | 2009-01-05 16:50 | 呼吸器系  

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